薄ら(読み)うすら

精選版 日本国語大辞典 「薄ら」の意味・読み・例文・類語

うす‐ら【薄ら】

[1] 〘副〙 (形容詞「うすい」の語幹「うす」に接尾語「ら」の付いたもの) 見た目に薄く感じられるさまを表わす語。うっすら。
※玉塵抄(1563)一八「すみのこうもなううすらとかいたことぞ」
[2] 〘語素〙
名詞の上に付いて、そのものの厚みが薄そうに見える意を添える。「うすら衣」「うすら霜」「うすら氷」
② 名詞、状態性形容詞などの上に付いて、その色合いが淡い感じである、光などが弱々しい感じであるなどの意を添える。「うすら赤地」「うすら明かり」「うすら明るい」
思慮、知識が乏しい。浅薄である意を添える。「うすらばか」
表情などで、外に表われた様子がかすかである意を添える。「うすら笑い
⑤ 主に形容詞の上に付いて、なんとなくそのような感じである、の意を添える。「うすら寂しい」「うすら寒い」
童貞(1964)〈富士正晴〉五「そうしたうすら肌寒い午前三時ごろ」
[補注]「うす」に比べて「うすら」は「うすい」状態をより感覚的に表現する場合に用いられることが多い。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「薄ら」の意味・読み・例文・類語

うっすら【薄ら】

[副]《「うすら」の音変化》濃さ・明瞭度・厚さなどの程度がわずかであるさま。ほのかに。かすかに。うすく。「薄ら(と)赤みが差す」「薄ら(と)記憶に残っている」「雪が薄ら(と)積もる」
[類語]薄い希薄薄っぺら薄め薄手薄べったい薄地薄口ほのかかすかほんのりおぼろげうすうす淡いよう杳杳ようようようとして暗い薄暗いほの暗い小暗い暗い小暗がり手暗がり真っ暗暗然冥冥漠然ぼんやりぼうっとぼうとぼやっと不鮮明もやもや霞む見えにくい陰る曇るおぼろかき曇るぼやけるぼけるかすれる朦朧もうろうどろん不透明ほの見えるしょぼつくしょぼしょぼ茫茫ぼうぼう不可視

うす‐ら【薄ら】

[形動ナリ]《「ら」は接尾語》
ある現象状況などが、ほんの少し現れているさま。かすか。
「君があけなるてぶくろに雪も―にとけゆけり」〈犀星・三月〉
名詞・形容詞の上に付いて、うすい、少しばかり、なんとなく、などの意を表す。「薄ら明かり」「薄ら寒い」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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