薩埵峠(読み)サッタトウゲ

デジタル大辞泉 「薩埵峠」の意味・読み・例文・類語

さった‐とうげ〔‐たうげ〕【薩埵峠】

静岡市清水区の海岸沿いにある峠。旧東海道難所および名勝地として知られた。

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精選版 日本国語大辞典 「薩埵峠」の意味・読み・例文・類語

さった‐とうげ‥たうげ【薩埵峠】

  1. 静岡市清水区興津と庵原郡由比町の間にある峠。薩埵山駿河湾に臨む中腹にあり、東海道の難所として知られた。観応擾乱(じょうらん)古戦場

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「薩埵峠」の意味・わかりやすい解説

薩埵峠
さったとうげ

静岡県静岡市清水区(しみずく)由比(ゆい)地区と清水区興津(おきつ)地区との間にある峠。薩埵山(244メートル)の山地が急傾斜で駿河(するが)湾に面する岫崎(くきがさき)とよばれる地点を越える峠で、東海道の難所であるとともに名勝地でもあった。ここを通過するルートは、上道中道、下道などとよばれ、峠道と磯道(いそみち)との変遷があった。波打ち際を通っていた道は、明暦(めいれき)年間(1655~1658)の朝鮮からの使節来訪の際に峠道が整備されて移動したが、1854年(安政1)の大地震によって海岸が隆起したあとは海岸道に移っている。現在も東海道本線、国道1号、東名高速道路がほぼ並行して通過する。1568年(永禄11)の武田信玄(しんげん)と今川氏真(うじざね)との合戦をはじめとする古戦場としても知られる。峠名は、付近の漁師の網にかかった菩提(ぼだい)薩埵(菩薩)を祀(まつ)ったことによる。由比駅から徒歩1時間。展望台や休憩所を備えたハイキングコースがつくられている。

北川光雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「薩埵峠」の意味・わかりやすい解説

薩埵峠 (さったとうげ)

静岡市清水区興津(おきつ)地区と同区由比地区との間の峠。標高90m。海食崖をなして駿河湾にせまる薩埵山(244m)の中腹を通るため,東海道の難所の一つであった。1854年(安政1)の地震で海岸が隆起し一部陸化したため,以後街道は海岸経由となり,峠道はさびれた。現在の国道1号線も海岸を通るが,東名高速道路は峠の下をトンネルで通過する。戦略的にも重要な位置にあり,1568年(永禄11)の武田信玄と今川氏真との戦い,翌年の北条氏政と武田信玄との戦いなどの古戦場としても知られる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「薩埵峠」の意味・わかりやすい解説

薩埵峠
さったとうげ

静岡県中部,静岡市東部の興津由比の間にある旧東海道の峠。薩埵山(244m)の中腹にあり,急坂な山道をなし,東海道の難所の一つであった。駿河湾三保の松原の展望はみごとである。嘉永7(1854)年の大地震で海岸が隆起し,以後海岸沿いに新道がつくられたが,現在は東海道新幹線,JR東海道本線,東名高速道路がトンネルで通る。

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