朝日日本歴史人物事典 「薩摩外記(初代)」の解説
薩摩外記(初代)
生年:生年不詳
江戸前期の外記節の創始者。薩摩外記藤原直政と名乗る。京都で知られたが,慶安2(1649)年江戸に下り,外記節を広めた。薩摩浄雲系統のものと区別するために「下り薩摩」と呼ばれた。初代の門弟薩摩文五郎が大薩摩主膳太夫と名乗って歌舞伎に出演,大薩摩節をはやらせたが,外記節はおとろえ,のちにはともに長唄に吸収されていった。外記節は3代目が没した享保(1716~36)初年には絶えたが,薩摩座の名は明治5(1872)年まで続いた。
(竹内道敬)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報