藍鉄鉱(読み)ランテッコウ(その他表記)vivianite

精選版 日本国語大辞典 「藍鉄鉱」の意味・読み・例文・類語

らん‐てっこう‥テックヮウ【藍鉄鉱】

  1. 〘 名詞 〙 鉄の含水燐酸塩鉱物。単斜晶系。ふつうは暗青色土状をなす。〔鉱物字彙(1890)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

最新 地学事典 「藍鉄鉱」の解説

らんてっこう
藍鉄鉱

vivianite

化学組成の鉱物。単斜晶系,空間群C2/m, 格子定数a1.008nm, b1.343, c0.470, β104° 30′,単位格子中2分子含む。柱状・等粒状・板状,微斜面の発達により刃状・槍尖状結晶,または星状・腎臓状・球状・板状・土状・粉状等の集合体,団塊,皮膜として産出。劈開{010}完全,小片は可撓とう性,硬度1.5~2,比重2.68。ガラス~真珠(劈開面)・土状光沢または無艶,新鮮なものは無色透明であるが酸化により急速に変色して暗青~暗緑色半透明となる。条痕白色から変化して暗青,褐色。屈折率α1.579~1.616, β1.602~1.656, γ1.629~1.675, 光学性正,光軸角63.5°~83.5°,光分散rv弱,多色性あり。少量のMn2, Mg, CaがときにFe2置換。色の変化などとともにFe2から酸化したFe3を増す。酸に易溶。ペグマタイト金属鉱床堆積岩および未固結〜現世の湖沼・河川堆積物中に広く産出。堆積物(岩)では,続成作用の過程で植物・動物遺骸(化石)を置換して産出することが多い。大分・姫島の径10cm弱の団塊藍鉄鉱,古琵琶湖層の長径10cm強大の葡萄状柱状団塊など。琵琶湖北湖の湖底に自生したものでは,MnO20wt%に達する。最近,藍鉄鉱の産出が深海底からも報告。欧文の名称は,J.G.Vivian(英国鉱物研究者)にちなむ。

執筆者:

参照項目:メタ藍鉄鉱

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藍鉄鉱」の意味・わかりやすい解説

藍鉄鉱
らんてっこう
vivianite

含水リン酸塩第一鉄鉱物の一つ。かつてメタ藍鉄鉱metavivianiteと同質異像関係にあるとされたが、この種においては、第二鉄が必須(ひっす)成分であることが合成実験などから確認され、同質異像関係は解消された。堆積(たいせき)岩中に団塊あるいは層状集合をなし、その中に細脈として発達することもある。またある種の熱水鉱脈鉱床、花崗(かこう)岩質ペグマタイト中にも産する。自形は平行四辺形の側面をもった板状、あるいは柱状をなし、中空あるいは緻密(ちみつ)な球顆(きゅうか)状集合をつくることもある。本来は無色透明だが、空気に触れると急速に藍青色に変化する。日本でのおもな産出は、兵庫県神戸市押部谷(おしべだに)の堆積岩中、栃木県足尾鉱山(閉山)の熱水鉱脈中など。英名ビビアナイトは発見者であるイギリスの鉱物学者ビビアンJohn Henry Vivian(1785―1855)にちなむ。

[加藤 昭 2018年12月13日]


藍鉄鉱(データノート)
らんてっこうでーたのーと

藍鉄鉱
 英名    vivianite
 化学式   Fe2+3[PO42・8H2O
 少量成分  Mn2+,Mg,Zn,Fe3+
 結晶系   単斜
 硬度    1.5~2
 比重    2.69
 色     無,淡青緑,空気中で濃色化
 光沢    ガラス
 条痕    白
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)
 その他   色・条痕は空気中で直ちに
       青色に変化

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藍鉄鉱」の意味・わかりやすい解説

藍鉄鉱
らんてっこう
vivianite

単斜晶系の鉱物。 Fe3(PO4)2・8H2O 。鉄は2価であり,ときに少量のマンガン (II) ,カルシウム,マグネシウムなどにより置換される。新鮮な結晶は無色透明であるが,酸化により鉄 (III) 含量が増加し,暗青色ないし暗緑色を呈する。硬度 1.5~2,比重 2.68。酸に溶けやすい。ペグマタイトなどの酸化帯に産するほか,有機物などとともに堆積岩中に産する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

《モスクワに遠征したナポレオンが、冬の寒さと雪が原因で敗れたところから》冬の厳しい寒さをいう語。また、寒くて厳しい冬のこと。「冬将軍の訪れ」《季 冬》...

冬将軍の用語解説を読む