藤田五郎(読み)フジタ ゴロウ

20世紀日本人名事典 「藤田五郎」の解説

藤田 五郎
フジタ ゴロウ

昭和期の経済史家 元・広島大学教授;元・福島大学教授。



生年
大正4(1915)年9月28日

没年
昭和27(1952)年12月8日

出生地
広島県広島市

学歴〔年〕
東京帝大経済学部〔昭和14年〕卒

学位〔年〕
経済学博士(東北大)〔昭和27年〕

経歴
昭和15年福島高等商業学校助教授、16年教授となり商品学を講じ、日本経済史の研究に着手。23年東北大学教授、24年広島大学教授。同年末福島大学教授兼任。26年兼任の福島大を退職したが27年再び福島大学教授となり、福島、広島を往来。27年東北大学から経済学博士号を受けたが、この年12月心臓衰弱のため福島で死去した。この間、服部之総のマニファクチュア論を継承しつつ、矢継ぎ早の著書会津を中心とする農村史料を駆使し、従来の経済史研究を一歩進めた。著書に「本邦商品学界の動向」「日本近代産業の生成」「近世農政史論」「近世封建社会の構造」「封建社会の展開過程」「近世的自営農」、「藤田五郎著作集」(全5巻 お茶の水書房)などがある。


藤田 五郎
フジタ ゴロウ

昭和・平成期のドイツ語学者 東京外国語大学名誉教授。



生年
明治44(1911)年7月8日

没年
平成9(1997)年1月31日

出生地
東京都新宿区

学歴〔年〕
東京帝大文学部独文科〔昭和10年〕卒

主な受賞名〔年〕
勲三等旭日中綬章〔昭和59年〕

経歴
東京外国語大学教授、麗沢大学教授、ACC講師、EJG講師を歴任。著書に「ドイツ語の新しい学び方」「簡約ドイツ文典」「青春舞台」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤田五郎」の意味・わかりやすい解説

藤田五郎
ふじたごろう
(1915―1952)

経済史学者。広島市に生まれる。広島高等学校を経て、1939年(昭和14)東京帝国大学経済学部を卒業、40年に福島高等商業学校(のち福島大学経済学部)助教授に就任、翌年教授に昇任し、商品学を講じた。福島市移住後、日本経済史に興味を抱き、信達(しんだつ)・会津両地方の実証的研究に着手するとともに、日本の近代化を日本社会の内部的発展視点から理論的に追究した。その結果、幕末における近代化の基軸的な担い手は「豪農」であると論証し、「豪農」の歴史的意義を究明して幕末・維新史の研究水準を高めた。1949年(昭和24)広島大学教授へ転じたが、また福島大学へ復帰し、福島市で病没した。

[寺谷武明]

『『藤田五郎著作集』全五巻(1970~71・御茶の水書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤田五郎」の解説

藤田五郎(2) ふじた-ごろう

1915-1952 昭和時代の経済史学者。
大正4年9月28日生まれ。昭和16年福島高商教授となり,戦後,広島大教授をへて福島大教授。会津(あいづ)地方の幕末の農村史料をもとに日本近代化の担い手としての豪農の役割を解明した。昭和27年12月8日死去。37歳。広島県出身。東京帝大卒。著作に「日本近代産業の生成」「近世農政史論」など。

藤田五郎(1) ふじた-ごろう

1911-1997 昭和-平成時代のドイツ語学者。
明治44年7月8日生まれ。東京外大教授をへて,昭和49年麗沢大教授。実用的なドイツ語教育に新生面をひらいた。平成9年1月31日死去。85歳。東京出身。東京帝大卒。著作に「ドイツ語のすすめ」「ドイツ語の新しい学び方」「簡約ドイツ文典」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「藤田五郎」の解説

藤田 五郎 (ふじた ごろう)

生年月日:1911年7月8日
昭和時代;平成時代のドイツ語学者。東京外国語大学教授;麗沢大学教授
1997年没

藤田 五郎 (ふじた ごろう)

生年月日:1915年9月28日
昭和時代の経済史学者。広島大学教授;福島大学教授
1952年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の藤田五郎の言及

【安土桃山時代】より

… (1)は中村吉治に代表される見解で,貨幣経済の進展によって解体しかかった中世封建制が,戦国期から織豊政権にかけて,大名領知制の確立や検地,身分統制の強化などによって再編強化され,近世封建制が成立したというものである。(2)は藤田五郎に代表される見解で,夫役経営(労働地代)を基本とする中世の農奴制的封建社会が,土一揆,一向一揆の過程を通じて,本百姓=隷農による小農民経営が成立し,生産物地代を中心とする,より純粋化した形の封建社会が成立したというものである。(3)は服部之総に代表される見解で,土一揆,一向一揆に代表される民衆の闘いと,倭寇から朱印船貿易にみられる海外発展は,あたかもヨーロッパの初期絶対主義時代に相当するという見解である。…

※「藤田五郎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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