藻琴山(読み)モコトヤマ

デジタル大辞泉 「藻琴山」の意味・読み・例文・類語

もこと‐やま【藻琴山】

北海道東部、屈斜路湖北側にある山。標高1000メートルの円錐状火山で、屈斜路カルデラ外輪山の一。阿寒国立公園一部

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日本歴史地名大系 「藻琴山」の解説

藻琴山
もことやま

東藻琴村の南端斜里しやり小清水こしみず町、網走郡美幌びほろ町、釧路支庁川上かわかみ弟子屈てしかが町との境界にある。標高一〇〇〇メートル。阿寒あかん国立公園北部に位置する。屈斜路くつしやろ湖カルデラ外輪山の一部で、南側は急峻なカルデラ壁、北側は緩やかな傾斜をなす。山頂からは屈斜路湖の湖面眼下みえほか、南東に雌阿寒めあかん岳・雄阿寒おあかん岳、北東に斜里岳、知床しれとこ連山、北には網走湖・藻琴湖・濤沸とうふつ湖やオホーツク海がみえる。板本「西蝦夷日誌」にはウラエウシ岳またはウラヤシヘツ岳とみえ、浦士別うらしべつ川などの河川の水源と記される。「山川地理取調図」には「トウエトクシヘ」または「ウラエウシノホリ」というとみえる。

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改訂新版 世界大百科事典 「藻琴山」の意味・わかりやすい解説

藻琴山 (もことやま)

北海道東部,網走支庁と釧路支庁の境界にある火山。標高1000m。屈斜路カルデラの外輪山に属し,南側は急崖をなして屈斜路湖に落ちこみ,北側はオホーツク海に向かって緩く傾斜する。山体は古い安山岩から成り山麓針葉樹林でおおわれ,山頂には草地が広がり,エゾウスユキソウなどの高山植物が成育する。北側の比較的開析の進んだ山麓は畑地牧草地として利用されている。山頂からの展望はすばらしい。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「藻琴山」の意味・わかりやすい解説

藻琴山
もことやま

北海道東部、屈斜路カルデラ(くっしゃろかるでら)外輪山の北部を形成する火山。標高1000メートル。山頂部はオホーツク総合振興局管内の小清水町(こしみずちょう)・大空町(おおぞらちょう)・美幌町(びほろちょう)、釧路(くしろ)総合振興局管内の弟子屈町(てしかがちょう)の境界となっている。南側は屈斜路湖に向かって急崖(きゅうがい)のカルデラ壁をなし、北側はオホーツク海に向かって緩やかな山麓(さんろく)が広がる。山体は古い安山岩からなり、北斜面は針葉・広葉の樹林帯で自然休養林に指定されている。山頂は草地が広がり高山植物がみられ、東側山腹まで自動車道があり登山も容易である。頂上からは南に屈斜路湖のほか硫黄(いおう)山、摩周岳、西別岳など、北に濤沸(とうふつ)湖、網走湖、サロマ湖などを眺望できる。

[岡本次郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藻琴山」の意味・わかりやすい解説

藻琴山
もことやま

北海道東部,屈斜路湖の北岸にある火山。標高 1000m。屈斜路カルデラの外輪山の一部を占め,北側はゆるやかに傾斜して,扁平な楯状 (アスピーテ) の山容を現すが,南側は急傾斜で湖にのぞむ。輝石安山岩から成り,屈斜路湖,美幌峠,アトサヌプリ火山群,摩周岳,知床連峰などを一望に収める景勝地。国設藻琴山自然休養林キャンプ場,国設藻琴山スキー場があり,阿寒国立公園に属する。

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世界大百科事典(旧版)内の藻琴山の言及

【屈斜路湖】より

…湖の中央に浮かぶ周囲約12kmの中島は,二重式火山で,中央部には溶岩円頂丘がある。外輪山には標高800~1000mの藻琴(もこと)山,サマッケヌプリ,コトニヌプリ,サマッカリヌプリなどがある。これらの山は地層からみて,いくつかの成層火山からなる山体が洪積世後半の十数回にわたる大規模で断続的な火山活動をくりかえした後,陥没して生じた屈斜路カルデラのカルデラ壁で,それは北部と西部でとくに明確である。…

※「藻琴山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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