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蘆屋道満 アシヤドウマン

デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

蘆屋道満 あしや-どうまん

平安時代中期の伝説上の陰陽師(おんようじ)。
藤原道長に呪いをかけて安倍晴明(せいめい)にみやぶられ追放されたといい,また晴明と術くらべをして敗れ弟子となり,のちそむいたともされる。この話は「古事談」「宇治拾遺(うじしゅうい)物語」「十訓(じっきん)抄」などにみえ,浄瑠璃(じょうるり),歌舞伎などに脚色された。名は道摩とも。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典の解説

蘆屋道満

架空の人物。平安時代に活躍したとされる法師陰陽師。道摩ともいう。『古事談』『宇治拾遺物語』『十訓抄』『峯相記』などに道満の説話がみえ,全国各地に様々な伝説を残す。蘆屋道満を有名にしたのは,信田妻の伝説を集成して脚色した浄瑠璃作者・竹田出雲(初代)作の義太夫で,のちに「葛の葉」として歌舞伎化された「蘆屋道満大内鑑」によるところが大きい。説話のなかでは陰陽師の安倍晴明と術競べをする人物として登場することが多い。『今昔物語集』では,安倍清明と術競べをして敗れ,弟子入りする播磨国(兵庫県)出身の法師の智徳の名がみえるが,道満にかかわる伝説は播磨に多く残り,室町期には蘆屋道薫,同道仙,同道善など陰陽師の居住が播磨で知られ,これは近世にも受け継がれた。播磨の陰陽師たちにとって,中央の陰陽師である安倍,賀茂両氏とは別系の由緒を語る人物として道満の名が取り上げられ,伝承されていったのであろう。また,道満をもうひとりの播磨の伝説的な宗教者・法道仙人とも結びつけ,道満を法道の弟子とする伝承ができあがっている。各地の民俗宗教の事例のなかで,星型の呪符をドーマン符と呼ぶ例があり,志摩地方(三重県)などでは九字を描いたセーマン符(晴明判)とともに,門口の魔除けや海女のお守りとして使用されている。<参考文献>田中久夫「法道仙人と播磨の陰陽師」(村山修一他編『陰陽道叢書』2巻)

(脊古真哉)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

あしやどうまん【蘆屋道満】

平安中期の法師陰陽師。道摩ともいう。安倍晴明と術くらべする人物として登場することが多い。《古事談》《宇治拾遺物語》《十訓抄》に,道摩法師藤原顕光の命で藤原道長に妖術をしかけるが,道長の犬と晴明に見破られ,本国播磨国に追放されたと伝える。《峯相記》《東斎随筆》に同じ説話が見え,道摩を道満に作る。《簠簋袖裡(ほきしゆうり)伝》(室町末ごろ写,竜門文庫蔵),《簠簋抄》(1629)に,道満は晴明と術くらべをして敗れ,晴明の弟子となる。

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世界大百科事典内の蘆屋道満の言及

【蘆屋道満大内鑑】より

…異類婚姻譚として著名な信田妻(しのだづま)の伝承は17世紀後半からしばしば人形浄瑠璃や歌舞伎に取り上げられていたが,本作はそれらを集大成した作品。秘伝書《金烏玉兎集(きんうぎよくとしゆう)》をめぐる安倍保名(やすな)と蘆屋道満との対立を主筋とし,保名に助けられた白狐が許婚葛の葉姫の姿を借りて契りを交わし一子を儲けるという安倍晴明の出生譚を絡めたもの。竹本大和掾の風を伝える四段目口の〈葛の葉子別れの段〉がもっぱら上演されてきた。…

【信田妻】より

…五説経(説経節の五つの代表作)の一つに数えられるが,説経節正本の所在不明。陰陽師安倍晴明の出生にまつわる話と,蘆屋道満(あしやどうまん)との術くらべの話からなる。命を助けられた狐が人に姿を変えて安倍保名と契り子を生む。…

※「蘆屋道満」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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