袋井(市)(読み)ふくろい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「袋井(市)」の意味・わかりやすい解説

袋井(市)
ふくろい

静岡県西部、太田川と原野谷(はらのや)川の合流部にある市。1958年(昭和33)市制施行。1963年山梨町を編入。2005年(平成17)浅羽町(あさばちょう)を合併。市域は太田川、原野谷川の沖積平野で、南東部に小笠(おがさ)山丘陵が広がり、南は遠州灘(えんしゅうなだ)に面する。JR東海道本線、国道1号、袋井バイパスが市の中央部を東西に通じ、南部を国道150号が走り、東名高速道路袋井インターチェンジがある。江戸時代は東海道五十三次の宿場町で、周辺地域の物資集散地として繁栄した。中遠地方の穀倉をなし、水稲のほか温室メロン、レタスキュウリ、花卉(かき)栽培が盛ん。丘陵地では茶、ミカンをつくっている。家畜市場があり、子ブタ中心の養豚も行われている。近年国道沿いを中心に製薬、化学、機械、電器関係の工場進出が著しい。1991年(平成3)には静岡理工科大学が開学した。油山寺(ゆさんじ)、可睡斎(かすいさい)、尊永寺(そんえいじ)は遠州三山と称される名刹(めいさつ)で、油山寺の山門、三重塔、本堂内厨子(ずし)と尊永寺の仁王門、金銅五種鈴は国の重要文化財に指定されている。また、尊永寺は厄除(やくよ)け法多山(はったさん)として親しまれ善男善女でにぎわう。可睡斎は「ぼたん苑」が有名。面積108.33平方キロメートル、人口8万7864(2020)。

[川崎文昭]

『『袋井市史』全6巻(1980~1985・袋井市)』


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