西条古墳群(読み)さいじようこふんぐん

日本歴史地名大系 「西条古墳群」の解説

西条古墳群
さいじようこふんぐん

[現在地名]加古川市西条山手一丁目・山手二丁目など

弥生時代後期より五世紀までの三十数基の古墳群。印南野いなみの台地の裾が北に延び、加古川左岸の独立丘しろ山とを結んで約七〇〇メートルの細長い段丘をつくる。標高約三〇メートル。南半部をひと塚・あま塚・行者ぎようじや塚の五世紀代の大型古墳が占め、北半部には数十基の後期古墳が分布する。現在は行者塚古墳のほか、尼塚古墳(帆立貝式、全長五三・五メートル)、人塚古墳(推定帆立貝式、現長六三・五メートル)の三基の大型古墳を残す。いずれも国指定史跡

〔西条五二号墓〕

西条山手さいじようやまて一丁目にある。古墳群の北端、段丘の西斜面に位置する。出土した土器によって弥生後期の墳丘墓と考えられる。昭和三八年(一九六三)と翌年に調査されたが、現在は消滅した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「西条古墳群」の解説

さいじょうこふんぐん【西条古墳群】


兵庫県加古川市山手にある古墳群。加古川の河口から上流約10km、その東岸の台地末端に位置する古墳で、行者塚・人塚・尼塚の大型古墳を中心に、数十基の小型古墳をあわせもつ。行者塚古墳は前方部を南西においた全長約100mの前方後円墳で、3段築成の墳丘のくびれ部の両側に造り出しがあり、幅約20mの周濠痕跡をたどることができる。人塚古墳は径約50mの円墳の南西部に、方形に近い造り出しがあり、周囲に幅約20mの濠が確認される。尼塚古墳には、径約40mの円墳の東南部に造り出しがつき、約5mの周濠の痕跡がある。その他の小型の円墳は、現在ほとんど失われているが、加古川下流域における古墳時代の成立過程を知るうえで重要とされ、1973年(昭和48)、その中核をなす3基の古墳が国の史跡に指定された。JR加古川線神野駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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