角巻(読み)カクマキ

デジタル大辞泉 「角巻」の意味・読み・例文・類語

かく‐まき【角巻(き)】

大きな四角の毛布でできた肩掛け東北地方の婦人用防寒具。 冬》「男見て―の背がふとうごく/楸邨

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共同通信ニュース用語解説 「角巻」の解説

角巻

北海道東北北陸地方で江戸時代末期から1970年代ごろまで外出時に身にまとった、雪国の伝統防寒着。縦約170センチ、横約160センチの厚手の毛織物で、三角形に折りたたみ頭や肩から羽織る。洋装普及コートが代用され、現存する数量は少なくなっているとみられる。青森県や新潟県では、住民から寄贈を受けて観光資源化する動きがある。

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精選版 日本国語大辞典 「角巻」の意味・読み・例文・類語

かく‐まき【角巻】

  1. 〘 名詞 〙 四角い形をした毛布の肩掛け。背の高さに応じて三角に折って着る。別に帽子をかぶることが多い。おもに、東北地方などの寒冷地で、外出の際に、女性が防寒用として用いる。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「温かさうなコートや角巻の女」(出典:一九二八・三・一五(1928)〈小林多喜二〉四)

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改訂新版 世界大百科事典 「角巻」の意味・わかりやすい解説

角巻 (かくまき)

北海道,東北地方などの寒冷地で女性が外出の際,防寒用として用いる毛布状の肩かけ。形態は縦170cm内外,横160cm内外のほぼ方形で,周囲に同色の房がついている。色は年齢に応じて紺,灰色,緑,えんじなどがある。着方は,身長に応じて縦に二つ折りにして,頭の上,あるいは肩からまといつける。地域によっては三角形に折ることもある。角巻を〈ケット〉とか〈フランケ〉と呼ぶ地域があるが,この名は毛布の英語ブランケットblanketにちなむ。
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百科事典マイペディア 「角巻」の意味・わかりやすい解説

角巻【かくまき】

東北・北陸地方の女性の防寒用のかぶり物。元来はふろしき状の布を三角に折り,ほおかぶりにしたものを角巻,フロシキボッチといった。ケットと称し外出に毛布を着た明治文明開化期の風俗が東北に伝わり,毛布に房をつけたものなどが用いられるようになった。

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世界大百科事典(旧版)内の角巻の言及

【被り物】より

…一般にお高祖頭巾の名で知られ,大正時代まで女子の間で流行した。現在でもこの系統の頭巾は,防寒労働用として東北の婦人たちに,フロシキボッチ,サンカクボッチあるいは角巻(かくまき)の名で親しまれ愛用されている。もう一つ江戸期の被り物として重要なのは手ぬぐいかぶりである。…

※「角巻」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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