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角膜移植とアイバンク かくまくいしょくとあいばんく

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家庭医学館の解説

かくまくいしょくとあいばんく【角膜移植とアイバンク】

角膜移植とその限界
 角膜移植というのは、視力障害の原因となっている濁った角膜(黒目(くろめ))の中央部を円形に取り除き、ほぼ同じ大きさのきれいな他の人の角膜を移植して、視力を回復させるものです。
 角膜移植が有効な病気は、角膜の異常だけで、視神経や網膜(もうまく)などに重い障害があっておこった視力の低下は、角膜移植を行なっても回復しません。
 また、苛性(かせい)ソーダなどの強いアルカリ性の薬物や、花火などの高熱により混濁(こんだく)した場合は、移植しても再び角膜が混濁してしまい、うまくいかないことがあります。
 最近は、手術手技の発達、縫合糸(ほうごうし)の改良、角膜保存液の開発によって手術の安全度が向上したこと、拒絶反応を抑えるための薬物の開発が進んだことで、移植の成績は向上しています。
 現在、手術後1年たっても、約90%の人の角膜は透明のままです。
◎角膜移植を受けたい人のために
●誰の角膜を移植するのか
 移植に用いられるのは死亡した人の角膜です。1958年に「角膜移植に関する法律」が制定され、本人の意思と遺族の同意があれば、死亡した人から角膜の提供が受けられるようになりました。
●角膜移植の申し込み方
 角膜移植を希望する人は、角膜移植を実施している医療機関(多くは大学病院)で診察を受け、角膜移植を受けられるかどうかの判定を受けます。可能となれば登録して順番を待つことになります。
●角膜移植の費用と入院期間
 角膜移植は医療保険が適用されるので、医療費の支払い自己負担分だけです。生活保護身体障害者手帳の交付を受けている人は自己負担分も公費でまかなわれます。角膜移植手術にともなう入院期間は7~10日間です。
●拒絶反応
 腎臓(じんぞう)や心臓の移植は拒絶反応が問題になりますが、角膜には血管がなく、血液が流れていませんから拒絶反応がおこりにくいのです。ただし、血管がないはずの角膜に多数の血管が入り込んでいる病気の人は、拒絶反応がおこりやすいため、角膜移植が受けられるかどうかは慎重に判断されます。
◎角膜を提供したい人のために
●連絡はアイバンク
 死後、角膜の提供を希望する人は、近くのアイバンク(眼球銀行)に連絡すれば、登録その他の詳しいことを教えてもらえます。また、生前に登録していなくても、遺族が提供を希望する場合、アイバンクに連絡すれば提供できます。
 アイバンクは全国各地に設立されています。詳しくは(財)日本アイバンク協会におたずねください。
●提供希望者が死亡したとき
 眼球は死後6時間以内に摘出する必要がありますから、死亡した場合、アイバンクへの連絡はできるだけ早く行ないます。連絡があると医師が出向いて眼球を摘出し、そのあとにはプラスチックの義眼(ぎがん)を入れますから、外見は摘出前と変わりません。
 摘出された眼球は、眼球保存液内で4℃に保たれ、2日以内に移植されます。最近では、角膜部分(強角膜片(きょうかくまくへん))だけを切り取り、角膜保存液内において4℃で約1週間の保存が可能です。また一部の角膜は、緊急時や、角膜腫瘍(かくまくしゅよう)で角膜を一部切除した人に使用するために、冷凍保存されています。

出典|小学館
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