コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

解離性障害 かいりせいしょうがい dissociative disorder

5件 の用語解説(解離性障害の意味・用語解説を検索)

知恵蔵2015の解説

解離性障害

心的外傷体験の研究が進む中で、「解離」という心の防衛システムが注目されるようになってきた。辛すぎる体験を前にすると、体験している自分自身から感情を切り離す。その結果、外傷体験から心理的に逃避できても、自己の統一性を犠牲にする場合があり、意識や記憶の連続性に問題が生じる。解離は心的外傷後ストレス障害(PTSD)を始め他の障害とも関係が深いが、解離を中心とした障害としては、(1)解離性健忘=ストレスの強い重要な個人的記憶が失われる、(2)解離性同一性障害=最も重症で慢性化する、(3)離人症性障害=自分の身体や自己自身に対する非現実感を反復的に持ち、外界の現実感が薄れたりする、(4)解離性遁走=住み慣れた家や仕事から離れて突然放浪に出て、自己の同一性に関する記憶喪失を伴う、など。心的外傷を負った少年たちが、感情が解離した時に万引きや器物破損、残忍な行動などの問題を起こすという指摘もある。

(田中信市 東京国際大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

解離性障害

心的外傷が主な原因となって、意識や記憶、体験などが本来自分が持っているものと一致しなくなる精神障害の総称。記憶や体験を思い出せなくなったり、別の人格が現れ、コントロールされているような感覚を覚えたりする症例がある。

(2012-11-02 朝日新聞 朝刊 奈良1 1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

かいりせい‐しょうがい〔‐シヤウガイ〕【解離性障害】

通常は統合されている意識・記憶・自己同一性などが混乱し、連続性がなくなったり、失われたりする障害。強いストレスや心的外傷が原因で発症すると考えられている。自分に関する重要な情報を広い範囲にわたって思い出せない解離性健忘、精神が体から離脱して自分を傍観者であるかのように感じる離人症性障害、複数の人格状態が存在する解離性同一症、突然、家庭や職場から離れて放浪し、過去を想起することができなくなる解離性遁走(とんそう)などがある。解離症。DD(dissociative disorder)。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

家庭医学館の解説

かいりせいしょうがい【解離性障害 Dissociative Disorder】

[どんな病気か]
 以前は、ヒステリーの解離型(かいりがた)と呼ばれていました。ヒステリーには、いくつかの種類があります。からだの病気がないのに、からだに機能障害の出る転換型(てんかんがた)と、その個人の意識に亀裂(きれつ)が生じるのが特徴の解離型があります。解離型では、亀裂が生じることにより、その個人が本来もっている「これが自分だ」という感覚に不連続性が生じます。
[症状]
 たとえば、非常に大きな精神的ショックの後、ある期間失踪(しっそう)してしまい、その間、自分の名前やそれまでの生活について忘れて、新しい名前を使って生活していることがあります。このようなタイプの失踪をフーグ(解離性遁走(かいりせいとんそう))と呼びます。
 失踪はしないまでも、大きなショックの後、自分に対する記憶を失ってしまうことがあります。さまざまな程度のものがありますが、全く記憶を失っている場合を全生活史健忘(ぜんせいかつしけんぼう)といいます。
 フーグでは、解離の期間が比較的はっきりしており、日ごろの生活の場から遁走してしまうので、異常に気づきやすいのですが、慢性的に自己意識に解離症状をもちながら、持続的に同じ社会で生活している場合もあります。
 たとえば、多重人格(たじゅうじんかく)では、自己の中にいくつかの人格があります。おもな人格が一応正面に出て社会生活はしていますが、ストレスには弱く、不適応を生じやすい状態にあります。また、人格全体が解離してしまうところまでいかなくても、「これが自分」という感覚が薄くなり、自分を外から傍観(ぼうかん)しているような感じがしたりします。自分の周りの出来事も現実感がなく、まるで映画でも見ているように感じられる離人症状(りじんしょうじょう)がみられることもあります。離人症状は、健康な人が極度に疲労したり、マインドコントロールを受けたりしても生じます。また、うつ病薬物依存など、さまざまな精神疾患と関連しても生じます。
 他の精神疾患との鑑別を行ない、治療を始めます。

出典|小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

大辞林 第三版の解説

かいりせいしょうがい【解離性障害】

意識・記憶・同一性・環境の知覚など、通常は統合されている機能が分離される障害の総称。過酷な状況を体験した際に、自己から感情を切り離して逃避することが原因とされる。解離性健忘、解離性同一性障害、離人症性障害、解離性遁走など。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

解離性障害の関連キーワードヒステリーミステリーヒステリックヒステリカル結婚案内ミステリー結婚案内ミステリー風シニカル・ヒステリー・アワー心因性難聴(ヒステリー性難聴)ヒステリー性人格ヒステリー性朦朧状態

今日のキーワード

災害派遣

天災地変その他の災害に際して,人命または財産の保護のために行なわれる自衛隊の派遣。災害出動ともいう。都道府県知事などの要請に基づいて,防衛大臣が派遣することを原則とするが,特に緊急を要する場合,要請を...

続きを読む

コトバンク for iPhone

解離性障害の関連情報