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離人症(読み)りじんしょう(英語表記)depersonalization

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

離人症
りじんしょう
depersonalization

人格喪失感自分自身が行動していながら実感が伴わない,自分が本来の自分と思えない,という自我意識 (→自我 ) の障害が中心になって,自分の身体が自分のものという感じがしない,という身体意識の障害や,物を見ているのにピンとこない,という対象意識面の障害などを伴う症状。ピエール・ジャネはこの障害の背景に空虚感を考え,自我の実在機能の減退を自我が自覚している状態と説明した。離人症は疲労時のほか,神経症,うつ病,統合失調症などに付随して現れる。

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世界大百科事典 第2版の解説

りじんしょう【離人症 depersonalization】

行為の能動感,知覚の自己所属感,身体と自己の一体感,自己の同一性などが希薄化して,物事や自分自身についての実感が消失したさいの主観的な訴えに対して用いられる症状名。外の風景やそこにいる人物や木々が単に絵はがきでも見るようで,いきいきと感じられないと訴える現実感喪失,自分が自分として感じられなくなった,なにか今までの自分と違ってしまった感じがする,自分のしている行動に自分がしているという実感がない,自分の身体が自分として感じられない,などの人格感喪失が主観的に訴えられるだけで,他覚的には異常が見いだされない。

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大辞林 第三版の解説

りじんしょう【離人症】

自分自身や自分の行動、また外界などに対し、実感が伴わない状態。神経症・鬱病・統合失調症、極度の疲労時などにみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

離人症
りじんしょう
depersonalization

1898年フランスのデュガL. Dugasによって初めて唱えられた精神病理学用語。それは生命的感情の喪失感であるが、通常「自分を取り巻く外界が現実のものと感じられない」という非現実感、「自分自身の存在の確かさが感じられない」という空虚感、「自分の体が自分のものだと感じられない」という非自己所属感の三つに分けられる。
 20世紀に入り、これら対象を異にする三つの喪失感について異常心理学の立場から多くの論議がなされたが、しだいに、このような異なる異常心理の背後に存する全体的精神病理に目が向けられるようになり、神経症のみならず、うつ病や統合失調症(精神分裂病)初期における離人症症状にも注目されるようになった。[荻野恒一]

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