託つ(読み)カコツ

デジタル大辞泉 「託つ」の意味・読み・例文・類語

かこ・つ【託つ】

[動タ五(四)]
心が満たされず、不平を言う。ぐちをこぼす。嘆く。「不運を―・つ」
他の事のせいにする。口実にする。かこつける。
「酔ひに―・ちて苦しげにもてなして」〈藤裏葉
[類語]嘆く嘆ずる悲しむ愁える悲嘆する愁嘆する痛嘆する嗟嘆さたんする嘆息する長嘆する愚痴る愚痴っぽいぼやくこぼす愚痴をこぼす不平を鳴らす不平を並べる御託を並べる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「託つ」の意味・読み・例文・類語

かこ・つ【託・喞】

  1. 〘 他動詞 タ行五(四) 〙
  2. あまり関係のないことをむりに結びつけて理由とする。他のせいにする。口実とする。かこつける。
    1. [初出の実例]「他を誣(カコチ)(かけ)て言はく」(出典:大乗掌珍論承和嘉祥点(834‐849))
  3. 心が満たされないのを何かのせいにして恨み嘆く。ぐちを言う。嘆いて訴える。
    1. [初出の実例]「秋の夜のながきをかこてれば」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
  4. 弱い立場のものを守り、大切にする。
    1. [初出の実例]「汝は命ながらへて、親をかこち、又は我等が女子をかこちて、かばねのうへのはぢをかかざる様に頼入成とて」(出典:三河物語(1626頃)三)

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