数年に1度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測した際、各地の気象台が発表する。1時間雨量歴代1、2位の記録を参考にした基準があり、その地域に土砂災害、浸水、洪水につながるような猛烈な雨が降っていることを意味する。気象庁のホームページに掲載される「警報の危険度分布」で、実際にどこで災害発生の危険が高まっているかを確認できる。299人の死者・行方不明者が出た1982年の「長崎豪雨」を教訓に運用が始まった。
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気象庁が大雨警報発表中に、現在の降雨がその地域にとって土砂災害や浸水害、中小河川の洪水害の発生につながる可能性のある、数年に一度程度しか発生しない激しい短時間の大雨が観測されたときに発表する情報。災害の発生につながるような、まれにしか観測されない雨量であることを知らせ、よりいっそうの警戒を呼びかけることを目的としている。
観測(地上の雨量計による観測)した1時間雨量や、解析(気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせた分析:解析雨量)した1時間雨量が、おおむね府県予報区ごとに、1時間雨量歴代1位または2位の記録を参考に決めた基準を上回ったときに発表する。
2004年(平成16)7月18日の福井豪雨においては、下記のように、記録的短時間大雨情報が発表された。
(1)福井県記録的短時間大雨情報 第2号
平成16年7月18日6時00分 福井地方気象台発表
6時福井県で記録的短時間大雨 美山(みやま)で88ミリ
(2)福井県記録的短時間大雨情報 第3号
平成16年7月18日6時10分 福井地方気象台発表
6時福井県で記録的短時間大雨 美山町付近で約90ミリ
福井市付近で約80ミリ
(1)が観測、(2)が解析で、解析によるものには、「付近」と「約」が付加され、10ミリメートル単位で発表され、120ミリメートル以上はすべて「120ミリ以上」と表現される。
また、福井県における記録的短時間大雨情報の発表基準の1時間雨量は80ミリメートルであるが、雨量が多い太平洋側の地方ではこの値より大きく、雨量が少ない北日本ではこの値より小さくなっている。
記録的短時間大雨情報が発表されたとき、土砂災害警戒区域や浸水想定区域などに住んでいる人は、速やかな避難開始が必要であるが、すでに屋外は猛烈な雨となっていることも想定される。あらかじめ決めておいた避難場所まで移動することがかえって命に危険を及ぼすと判断されることもあり、場合によっては近隣のより安全な場所や建物への移動、それさえも危険な場合には、屋内でも土砂災害・浸水害・洪水害が及ぶ危険性ができる限り小さい階や部屋等に退避(垂直避難)して、少しでも命が助かる可能性が高い行動が求められる。
[饒村 曜 2020年3月18日]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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