設楽(町)(読み)したら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「設楽(町)」の意味・わかりやすい解説

設楽(町)
したら

愛知県北東部、北設楽郡にある町。豊川(とよがわ)支流寒狭(かんさ)川の上流に位置する。1956年(昭和31)田口町と段嶺(だみね)・名倉の2村および振草(ふりくさ)村の一部が合併して改称。2005年(平成17)津具村(つぐむら)と合併。中心集落の田口は伊那(いな)街道の旧宿場で、近隣の買い物町。国道257号、420号、473号、茶臼(ちゃうす)山高原道路が走り、1968年豊橋鉄道田口線廃止以後はバス交通に依存している。添沢(そえざわ)、塩津両温泉もある(添沢温泉は2011年に温泉施設が営業を終了)。三河山地の主峰鷹ノ巣山(段戸(だんど)山とも。1153メートル)の麓(ふもと)の段戸裏谷(うらだに)、岩古谷(いわごや)などの観光地もあり、東海自然歩道のコースになっている。民俗芸能の宝庫で、田峰の田楽(だみねのでんがく)(国の選択無形民俗文化財)、三都橋(みつはし)の参候祭(さんぞろまつり)(県指定無形民俗文化財)、名倉の「棒の手」などがある。郡下の花祭とともに貴重である。林業、高原野菜の栽培が中心であるが、若者の流出で過疎化現象が著しい。段戸山一帯段戸高原県立自然公園に指定されている。面積273.94平方キロメートル、人口4437(2020)。

[伊藤郷平]

『『設楽町誌』全6巻(1996~2005・設楽町)』


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