刑事裁判で証人尋問を実施する前に、証人と事実関係などを確認する手続き。刑事訴訟規則は、証人の尋問を請求した検察側もしくは弁護側が、適切な尋問をできるよう準備しなければならないと規定している。証人の記憶を呼び起こし、限られた時間内で証言を引き出す目的で行われる。証言の誘導や証人への圧力などを懸念する意見は根強い。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
刑事裁判で、証人尋問前に証人に事実関係を確認する手続き。検察、弁護側双方が証人と面談し、いかなる順番でどのような話を聞くかなどについて打合わせをする、いわば法廷証言のリハーサルである。刑事訴訟規則第191条の3には「証人の尋問を請求した検察官又は弁護人は、証人その他の関係者に事実を確かめる等の方法によつて、適切な尋問をすることができるように準備しなければならない」と規定されており、本来、証人の記憶が薄れることや慣れない法廷で緊張することにより、公判進行が滞るのを防ぎ、限られた時間内で十分な証言を引き出す目的で行われる。取調べとは異なり、録音・録画など可視化の対象外であるため、そこでのやりとりは公判記録に残らない。しかし、検察が証人尋問の想定問答集を証人へ渡すなどして証言内容を指示している、また、誘導尋問の準備をしている、などの指摘がかねてよりあり、弁護士界の一部は証人テストの全面可視化を求めている。
なお、元衆議院議員鈴木宗男(むねお)(1948― )の汚職事件公判において、東京地方検察庁の検事が証人テストで証人に尋問メモを渡し、検察側に有利になる証言を指示していたことが、2014年(平成26)2月、朝日新聞社により報道された。国会でこの問題を取り上げた質問に対し、法務省は「一般論として、あらかじめメモ通りの内容の証言を求めることはない」と答弁。また、安倍晋三(あべしんぞう)政権は同年3月、「仮に不当な証人テストが実施されたとしても、(実際の法廷の)証人尋問で経緯等が吟味される」ので問題はないとして、過去の事例を含めて証人テストを検証する必要はないという答弁書を閣議決定した。
[編集部]
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