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公判 こうはん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

公判
こうはん

広義では,事件が裁判所に係属し訴訟手続が終了するまでの一連の手続過程をいうが,狭義には,公判期日における訴訟手続をいう。公判は裁判手続の中心をなし,弁論主義,口頭主義,直接主義,公開主義などの諸原則によって支配され,当事者の攻撃,防御活動によって遂行される。予審を廃止し起訴状一本主義 (予断排除の原則) を採用した現行刑事訴訟法は,公判中心主義に立ち,事件の審判は公判においてなされると規定する。迅速な裁判の実現のため,公判は継続して集中審理をなすべきことが要請されているが,必ずしも守られていない。

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百科事典マイペディアの解説

公判【こうはん】

刑事訴訟の公判期日に行われる審理・裁判手続(刑事訴訟法271条以下)。公判廷で,裁判官検察官被告人(軽微な事件では,被告人の出頭が免除されることもある)が立ち会い,原則として口頭で行われる。
→関連項目刑事訴訟公判前整理手続予審

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世界大百科事典 第2版の解説

こうはん【公判】

刑事訴訟において,起訴があってから裁判が確定するまでの裁判所における手続を,広義において公判という。そこには公開の法廷で行われる手続(公判手続。この手続が行われる期日を公判期日という)と,そのための準備が含まれ,前者をとくに狭義における公判と呼ぶ。上訴審については〈控訴〉および〈上告〉の項にゆずり,ここでは第一審の公判について説明する。
公判準備
 公訴が提起されると,裁判所は,被告人に起訴状の謄本を送達したうえ,弁護人を選任できること,および,貧困である場合などには国選弁護人の請求もできることを知らせる。

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大辞林 第三版の解説

こうはん【公判】

裁判所が一般に公開した法廷で、関係者の立ち会いのもとに刑事事件の審理を行うこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公判
こうはん

刑事訴訟の中心となる手続であって、広義では、公判期日における審理・判決の手続のほか、その準備のためにするいっさいの訴訟手続をさし、狭義では、公判期日における審理・判決手続だけをいう。民事訴訟における口頭弁論にあたる。通常第一審の公判の重要な原則としては、実体的真実発見主義、公開主義、口頭主義、直接審理主義がある。現行刑事訴訟法になって、とくに、当事者主義と職権主義との関係をどのように考えればよいのかということが問題となっている。そのために、裁判所の職権証拠調べ義務、訴因変更命令義務、訴因変更命令の形成的効力について学説上争いがある。
 第一審の公判が開始されるのは、(1)検察官の公訴の提起があったとき、(2)上級裁判所が原判決を破棄差戻しまたは移送したとき、(3)裁判所が事件を移送または併合する決定をしたとき、(4)裁判所が略式命令または交通事件即決裁判をすることができないとき、またはこれをすることが相当でないと考えたとき、もしくは略式命令または交通事件即決裁判につき正式裁判の請求があったとき、(5)再審開始の決定が確定したとき、である。
 公判廷の必要的構成員は、裁判官、裁判所書記官および検察官である(刑事訴訟法282条2項)。被告人は、軽微事件については出頭を免除されているが(同法284条、285条)、それ以外は公判期日に出頭しなければならない(同法286条)。また、死刑または無期もしくは長期3年を超える懲役または禁錮にあたる事件を審理する場合には、弁護人がなければ開廷することができない(同法289条、290条)。[内田一郎・田口守一]

公判審理

公判審理の範囲については不告不理の原則がある。ただし訴因の変更が認められる(刑事訴訟法312条)。
 通常、第一審の公判審理の順序は次のようである。
〔1〕冒頭手続 (1)人定質問(刑事訴訟規則196条)、(2)検察官の起訴状朗読(刑事訴訟法291条1項)、(3)被告人への権利の告知(同法291条3項、同規則197条)、(4)被告人・弁護人への陳述の機会付与(同法291条3項、291条の2)。
〔2〕証拠調べ(同法292条) (1)検察官の冒頭陳述(同法296条)、(2)被告人および弁護人の冒頭陳述(同規則198条)、(3)証拠調べの請求(同法298条1項)、(4)証拠調べの範囲、順序、方法の決定(同法297条1項)、(5)職権による証拠調べ(同法298条2項)、(6)証拠調べの方式 (イ)証人等の取調べ(同法304条、同規則199条の2~199条の13)、(ロ)証拠書類の取調べ(同法305条)、(ハ)証拠物の取調べ(同法306条)、(ニ)証拠物中書面の意義が証拠となるものの取調べ(同法307条)、(7)被告人の任意の供述(同法311条)、(8)証拠調べに関する異議の申立て(同法309条)、(9)証拠の排除決定(同規則205条の6第2項、207条)、(10)証拠の証明力を争う機会の付与(同法308条)。
〔3〕弁論 検察官の論告・求刑および被告人の意見の陳述、弁護人の弁論(同法293条、なお同規則211条)。
〔4〕判決(同法342条、同規則35条、220条、220条の2、221条)。
 以上のように、〔1〕~〔3〕の多くの手続を経て初めて、最後に〔4〕判決が下される。[内田一郎]

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