(読み)さんす

精選版 日本国語大辞典 「賛」の意味・読み・例文・類語

さん‐・す【賛】

〘他サ変〙 ⇒さんする(賛)

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デジタル大辞泉 「賛」の意味・読み・例文・類語

さん【賛〔贊〕】[漢字項目]

[音]サン(呉)(漢) [訓]ほめる たたえる たすける
学習漢字]5年
わきから力を添えてたすける。同意する。「賛意賛成賛同賛否協賛翼賛
ほめたたえる。「賛歌賛辞賛嘆賛美称賛賞賛絶賛礼賛
人物などをたたえる文章。「論賛
絵に添える詩文。「画賛自画自賛
[補説]24は「さん」と通用する。
[名のり]あきら・じ・すけ・たすく・よし

さん【賛/×讃】

ほめたたえること。また、その言葉。「バッハ―」
漢文文体の一。人物や事物をほめる際の文章。多く、4字1句で韻を踏む。
画面の中に書きそえた、その絵に関する詩句。画賛。
仏・菩薩ぼさつの徳をたたえる言葉。
論評批評
出口の茶屋に腰掛けながら、朝帰りの客に―付くるに」〈浮・諸艶大鑑・一〉

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改訂新版 世界大百科事典 「賛」の意味・わかりやすい解説

賛 (さん)
zàn

中国の韻文の文体の一種。讃とも書く。人や物を賛(たた)え美(ほ)めることを本質とする。賞賛を主とする点では〈(しよう)〉に共通する。《文心雕竜(ちようりよう)》では,頌とともに頌讃篇が設けられており,《文選(もんぜん)》では巻四十七に頌と賛が収められている。かならず4字句から構成され,偶数句で脚韻を踏む。10句前後の短いものが多いが,なかには《文選》に収められる夏侯湛(かこうたん)の《東方朔画賛》などのように,かなり長い作品もある。賛の対象とするところは多岐にわたるが,絵画に付される画賛のごとく,他の何かに付属して行われるのが普通である。独立して書かれる場合も,《文選》所収の賛のように長い散文の序を伴うことが多い。また紀伝体の史書の各巻末で述べられる史家の批評を,賛あるいは論賛と呼ぶ。散文の部分と韻文の部分から成ることが多いが,《後漢書》等のごとく韻文のみを指して賛と称するものもある。《文選》は〈史述賛〉の名で,この種の賛を収録している。
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百科事典マイペディア 「賛」の意味・わかりやすい解説

賛【さん】

人徳や物の美を称賛する韻文で,讃とも書く。禅宗関係の肖像画水墨画余白に見られるのは〈画賛〉ともいい,画家自身の書いたものを〈自賛〉という。史書の巻末で史上の人物をたたえたものは〈史賛〉という。
→関連項目菅家文草詩画軸如拙黙庵落款

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「賛」の意味・わかりやすい解説


さん

讃とも書く。漢文の文体の一種。人または事物を称揚する意味で,元来は神明に捧げる辞。絵画では画面の中に書かれた詩,歌,文をさす。中国画で書画一致の思想が発展するにつれて宋時代に完成し,これが日本に伝えられ,特に室町時代頂相 (ちんぞう) や水墨画に盛んに行われた。画家自身が書くのを自賛,賛文を書くことを着賛,賛を求めることを請賛という。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「賛」の意味・わかりやすい解説


さん

画賛

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