財産刑(読み)ざいさんけい(英語表記)Vermögensstrafe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

財産刑
ざいさんけい
Vermögensstrafe

人の財産法益を剥奪することを内容とする刑罰。現行法上,罰金科料がある。没収付加刑であるが財産に数えることもある。過料は刑罰ではない。罰金と科料の区別は,金額の大小による (刑法 15,17) 。支払えない場合には,労役場留置の制度がある (18条) 。没収について,全財産あるいは一部財産を没収する制度を採用している国もあるが,日本では個々の物に対してのみ認められるにすぎない (19条) 。

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百科事典マイペディアの解説

財産刑【ざいさんけい】

財産の剥奪(はくだつ)を内容とする刑罰。現行法上,罰金科料がある。付加刑である没収もこれに含めることがある。→自由刑
→関連項目刑罰

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

財産刑
ざいさんけい

犯罪に対する制裁(刑罰)として、受刑者から一定の財産的利益を剥奪(はくだつ)すること。財産刑は、自由刑とともに、近代的な刑罰制度のなかで中心的位置を占める。現行刑法には、財産刑として、罰金、科料のほか、付加刑としての没収がある(刑法9条)。罰金は1万円以上、科料は1000円以上1万円未満と規定されている(同法15条・17条)。なお、前出の罰金または科料を完納することができない者については、罰金につき1日以上2年以下、科料につき1日以上30日以下の期間、労役場に留置する一種の換刑処分が設けられている(刑法18条)。このように、財産刑、とくに罰金刑は、受刑者の貧富の差により不公平を生じるため、日数罰金制のように受刑者の資産に応じて個別的に罰金額を算定する制度を採用する国もある(ドイツ、スウェーデン、デンマークなど)。

 次に、没収とは、犯罪に関係のある特定の物の所有権を受刑者から剥奪し、国庫に帰属させる制度である(刑法19条)。没収は付加刑であるから、主刑の言渡しを前提として、これに付加的にのみ科しうるにすぎない。なお、没収の対象とされた物につき、その全部または一部を没収することが不可能である場合には、それにかわる一定の金額を国庫に納付させうる(刑法19条の2)。これを「追徴」という。追徴は財産刑ではないが、付加刑としての没収に準じるものである。

[名和鐵郎]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ざいさん‐けい【財産刑】

〘名〙 財産の剥奪(はくだつ)を内容とする刑罰。罰金、科料のほか、付加刑として没収がある。〔現代大辞典(1922)〕

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