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貫名海屋 ぬきな かいおく

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美術人名辞典の解説

貫名海屋

江戸後期の文人書画の巨匠・儒者。徳島生。姓は吉井、名は苞、字を君茂・子善、通称は泰次郎、別号に菘翁・方竹山人・須静山人等。書は西宣行に師事して宋法を学ぶ。近世第一の能書家と称され、須静塾を開く。晩年には下鴨神社に奉仕し、諸国を遊歴した。文久3年(1863)歿、86才。

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デジタル大辞泉の解説

ぬきな‐かいおく〔‐カイヲク〕【貫名海屋】

[1778~1863]江戸後期の書家・画家。阿波の人。本名、苞(しげる)。字(あざな)は子善、または君茂。別号、海客・菘翁(すうおう)など。空海をはじめ和漢の書を研究。南画にすぐれたほか、京都で須静塾を開いて儒学も講じた。幕末の三筆の一人。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

貫名海屋 ぬきな-かいおく

1778-1863 江戸時代後期の儒者,書家,画家。
安永7年3月生まれ。文人画を鉄翁祖門(てっとう-そもん)にまなび,書は空海の影響をうけ,幕末の三筆のひとりといわれた。儒学は中井竹山に師事し,京都で須静塾をひらいた。文久3年5月6日死去。86歳。阿波(あわ)(徳島県)出身。本姓は吉井。名は苞。字(あざな)は子善,君茂。別号に海客,菘翁など。作品に「白玉井銘」(書),著作に「須静堂詩集」など。

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朝日日本歴史人物事典の解説

貫名海屋

没年:文久3.5.6(1863.6.21)
生年:安永7.3(1778)
江戸後期の儒者,書家,画家。阿波(徳島県)の生まれ。本姓は吉井。名は苞。字は子善,君茂。号は海仙,海客,林屋,海叟,摘菘翁,菘翁,菘叟,方竹山人,須静主人,三緘主人など。通称は政三郎,省吾,泰次郎。父の名は直好。市河米庵,巻菱湖と並ぶ「幕末の三筆」のひとり。書を西宣行 に,画を狩野派の矢野典博に習い,のち南宗画に転じた。壮年,高野山に登り,空海の筆跡に心酔し,以後各地を遊歴して書画の研鑽に努めた。特に晋・唐の碑法帖の臨模に専念し,独自の書風を樹立した。85歳の春ごろに中風を患い,翌年にかけての最晩年に,中風様と呼ばれる気迫のこもった傑作を残している。

(河合仁)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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世界大百科事典 第2版の解説

ぬきなかいおく【貫名海屋】

1778‐1863(安永7‐文久3)
江戸時代の儒者,書画家。本姓は吉井,名は直知また苞。字は子善また君茂。林屋,海屋,海叟,海客,菘翁(すうおう)などと号した。阿波徳島藩士の家に生まれる。大坂に出て儒学を中井竹山に学び,のち京都で須静塾を開いた。書名は高く,晋・唐の法帖(ほうじよう)を臨摹(りんも)し,また平安期の名跡を学んで古雅秀麗な書風をつくり,幕末を代表する能書の一人となった。また少年時代から画を好み,はじめ狩野派を学んだが,のちに長崎に遊学し鉄翁について南画を修得。

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大辞林 第三版の解説

ぬきなかいおく【貫名海屋】

1778~1863) 江戸末期の書家。阿波国の人。名は苞しげる。字あざなは子善。別号、菘翁すうおう。幕末の三筆の一人。中国の碑版法帖を多数収蔵、鑑定にも長じる。唐碑や空海などの筆跡を研究。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

貫名海屋
ぬきなかいおく

[生]安永7(1778).阿波,徳島
[没]文久3(1863).5.6. 京都
江戸時代後期の南画家,書家。阿波蜂須賀藩士の次男。名は苞 (ほう) ,字は君茂,号は海屋,別号は菘翁 (すうおう) 。大坂に出て儒学を学び京都で塾を開いた。少年時代から書画を好み,絵は初め狩野派,のち長崎で鉄翁祖門 (→日高鉄翁 ) に師事。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

貫名海屋
ぬきなかいおく
(1778―1863)

江戸末期の儒者、書家、画家。阿波(あわ)(徳島県)の人。藩の家老、稲田淡路守(あわじのかみ)の弓術指南であった吉井直幸の二男として生まれ、27歳のとき本姓である貫名氏を名のる。名は苞(しげる)、字(あざな)は子善または君茂。通称を政三郎、のち省吾あるいは泰次郎といい、拾翠(しゅうすい)、海仙、海客、林屋、海屋、海叟(かいそう)、菘翁(すうおう)、菘叟のほか、摘菘翁、方竹山人、須静主人など多くの号を用いた。徳島の西宣行(双渓)に書の手ほどきを受け、絵は藩の絵師で祖父にあたる矢野典博(やののりひろ)(?―1799)に狩野(かのう)派を学んだ。また、伯父を頼って高野山(こうやさん)に登り、山内の図書を学ぶと同時に、空海の真跡に接してその影響を受け、下山後は、大坂の儒者、中井竹山の懐徳堂に入り、その塾頭となった。やがて書画研究のため諸国を遊歴し、ことに長崎では日高鉄翁(1791―1872)から南画を教授され、東海道、中山道を経て、一時江戸にもとどまったが、のち京都に須静塾を開いて儒学を講じた。晩年は、もっぱら書家としての名声を博して京都第一とうたわれた。古碑法帖(ほうじょう)の優品を学んでそこから一歩ぬきんでた品格の高い独自の書風は、市河米庵(いちかわべいあん)、巻菱湖(まきりょうこ)とともに「幕末の三筆」と称され、明治の書壇でも高い評価を受けた。[松原 茂]

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世界大百科事典内の貫名海屋の言及

【三筆】より

…諱は如一(によいち),木庵の法弟)を〈黄檗の三筆〉,また近衛信尹(のぶただ)(号は三藐院(さんみやくいん)),本阿弥光悦松花堂昭乗を〈寛永の三筆〉と呼ぶが,この呼名もおそらく明治以降であろうといわれ,1730年代(享保年間)には寛永三筆を〈京都三筆〉と呼んでいる。また巻菱湖(まきりようこ),市河米庵貫名海屋(ぬきなかいおく)(菘翁(すうおう))の3人を〈幕末の三筆〉という。三蹟【栗原 治夫】。…

【書】より

… 幕末には明の文芸的な文化として文人趣味が流行し,書画をよくし作詩の教養を重んじる,池大雅,皆川淇園,与謝蕪村,頼山陽などの文人書家が知られる。このころ書のみで一家をなした市河米庵貫名海屋(ぬきなかいおく)・巻菱湖(まきりようこ)は〈幕末の三筆〉と呼ばれる。この3人は晋・唐の書法を基礎として学問的研究を進めたが,米庵はとくに宋の米芾(べいふつ)に傾倒し,書論等も著し,その著《墨場必携》は揮毫用の範例を示したものとして今日にまで重宝されている。…

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