費やす(読み)ツイヤス

デジタル大辞泉 「費やす」の意味・読み・例文・類語

ついや・す〔つひやす〕【費やす】

[動サ五(四)]
あることをなしとげるために金銭・時間労力などを使う。また、使ってなくす。「歳月を―・して完成したダム」「いたずらに時間を―・す」
疲れ弱らせる。
「その物につきて、その物を―・しそこなふ物、数を知らずあり」〈徒然・九七〉
[可能]ついやせる
[類語]消費費消消耗消尽消却使う入れ揚げる擦る札片さつびらを切る金に飽かす金に糸目をつけない過ごす送る暮らす明かし暮らす明け暮れる消光する

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「費やす」の意味・読み・例文・類語

ついや・すつひやす【費・弊・潰】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 疲れよわらせる。おとろえさせる。疲弊させる。そこなう。
    1. [初出の実例]「潰 ツヒヤス」(出典:観智院本名義抄(1241))
    2. 「いたづらに思量念度をつひやして」(出典:正法眼蔵(1231‐53)弁道話)
    3. 「その物につきて、その物を費しそこなふ物、数を知らずあり」(出典:徒然草(1331頃)九七)
  3. 財物などをつかってなくす。つかいへらす。へらす。また、浪費する。
    1. [初出の実例]「権勢(いきほひ)の自由(ほしきまま)にして、官物(おほやけ)を費用(ツヒヤス)」(出典日本書紀(720)清寧即位前(図書寮本訓))
    2. 「宝をつひやし」(出典:方丈記(1212))
  4. 時間や労力などをかける。
    1. [初出の実例]「夏季三ケ月御費(ツヒヤ)しに相成り候」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三)
    2. 「これ以上の言葉を費す必要を私はみとめない」(出典:鳥獣虫魚(1959)〈吉行淳之介〉)

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