消光(読み)しょうこう(英語表記)extinction

翻訳|extinction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

消光
しょうこう
extinction

(1) リン光。解燼 (かいじん) ともいわれ,リン光体に光を照射してリン光を出させておき,温度を上げるか,赤外線を当てるとリン光が急に弱くなってしまう現象をいう。 (2) 岩石標本などを調べる偏光顕微鏡で複屈折性の結晶板を観察するとき,結晶板を回転させると顕微鏡の視野の明るさが変り,特殊な位置ではまったく暗黒になる。この現象を消光という。これは,偏光顕微鏡には直交ニコルがあって,試料はその間に挿入するようになっているが,特殊な角度に結晶板を置くと,複屈折によってできた常光線と異常光線とが,直交ニコルの作用で互いに干渉して強さを打消し合う状態になるためである。

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デジタル大辞泉の解説

しょう‐こう〔セウクワウ〕【消光】

[名](スル)
月日を送ること。日を過ごすこと。消日。現在では多く、手紙文で自分側について用いる。「小生、無事消光致しております」
「空く遨遊に―するに堪えざればなり」〈織田訳・花柳春話
鉱物を偏光顕微鏡で観察するとき、上下のニコルの振動方向と、鉱物内の光の振動方向とが一致したときに、暗黒になる現象。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうこう【消光】

消光には,蛍光やリン(燐)光などのルミネセンスの強度がなんらかの作用によって減少する現象と,複屈折性の結晶板を偏光方向が互いに直交している2枚の偏光子の間に置いて見るとき,結晶板を回転していくとある特定の方位で視野が暗黒になる現象との二つがあり,前者をクエンチングquenching,後者をエクスチンクションextinctionという。 クエンチングは,(1)発光分子の有している励起エネルギーを消光物質との衝突によって失うか,(2)消光物質との衝突によって化学反応を起こしたり,発光を起こさない分子間化合物をつくるか,(3)発光分子が,非放射遷移や分解反応などによって発光を起こさない分子状態に変わる,などの方法で起こる。

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大辞林 第三版の解説

しょうこう【消光】

( 名 ) スル
月日を送ること。 「面白く半日を-する事が出来るのは/吾輩は猫である 漱石」 〔手紙文で、自分の側について謙遜して言うときに用いる語〕

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精選版 日本国語大辞典の解説

しょう‐こう セウクヮウ【消光】

〘名〙
① (━する) 月日を過ごすこと。光陰をおくること。消日
※殿村篠斎宛馬琴書簡‐天保三年(1832)七月一日「蔽屋、無替事致消光候」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二「先づ先づ無事に消光罷(まか)り在り候間」
② 鉱物を直交ポーラー(偏光板)の下で観察する際、ポーラーの振動方向と鉱物内の光の振動方向とが一致して暗黒となる現象。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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