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費孝通 ひこうつうFei Xiao-tong

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

費孝通
ひこうつう
Fei Xiao-tong

[生]宣統2(1910).11.2. 江蘇,呉江
[没]2005.4.24. 北京
中国の社会学者。燕京大学社会学科卒業後,清華大学研究院で社会学,人類学を研究,のちロンドン大学に留学してブロニスロー・K.マリノフスキーに師事した。 1939年社会人類学的実態調査『中国の農民生活』,1945年奥地農村の実態調査『中国の奥地』などの著作を発表。第2次世界大戦後,清華大学の思想改造などの役割を果たし,中華人民共和国成立後は今後の社会学のあり方などについて多くの論文を発表,また中国少数民族の調査をおもに行なう。第2次整風運動のなかでは右派分子として批判を受けたが,1959年には右派分子の名称を取り消された。 1967年文化大革命で再失脚するが,1972年再度名誉を回復し,北京大学教授,社会人類学研究所所長などを歴任した。 1993年福岡アジア文化賞,1994年マグサイサイ賞受賞。

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百科事典マイペディアの解説

費孝通【ひこうつう】

中国の社会学者,人類学者,民族学者。江蘇省呉江の出身。1938年,ロンドン大学で哲学博士の学位を取得。中国少数民族社会の調査と歴史研究で画期的な業績をあげ,国際的にも高い評価を得る。
→関連項目瞿同祖

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世界大百科事典 第2版の解説

ひこうつう【費孝通 Fèi Xiào tōng】

1910‐ 
現代中国の社会学者。江蘇省呉江県の人。両親ともども教育家の家庭に生まれる。医学を志したが,社会学こそ病める社会を癒す学問であると思いいたり,医学を抛擲(ほうてき)して燕京大学で社会学を学んだ。さらに清華大学の社会学・人類学系の研究生となる。1936年イギリスに留学,ロンドン大学のB.マリノフスキーの薫陶をうけ社会人類学を学び,ロンドン大学の博士号を取得した。帰国後,清華大学の教授に就任した。解放後は,民族工作にたずさわり,雲南の少数民族の社会・歴史調査を行った。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

費孝通
ひこうつう / フェイシヤオトン
(1910―2005)

中国の人類学者、社会学者、社会活動家。江蘇(こうそ/チヤンスー)省呉江県に生まれる。北京(ペキン)の燕京(えんきょう)大学社会学系で呉文藻(ごぶんそう)(1901―1985)のもとに学び、清華大学社会学・人類学系大学院ではシロコゴロフS. M. Shirokogorov(1889―1939)に教えを受ける。故郷呉江県の開弦弓村で調査を行い、その資料をもとにイギリスのロンドン・スクール・オブ・エコノミックスにてマリノフスキーの指導のもと博士論文を完成、『Peasant Life in China』を出版する(1938)。帰国後、雲南大学、清華大学などで社会学教授を務める。1944年に中国民主同盟に入党。中華人民共和国成立後は、中央民族学院副院長・人類学教授、全国人民代表大会代表、同常務委員会副委員長、中国民主同盟中央常務委員、同主席などを歴任。1957~1958年の反右派闘争によって批判され、さらに文化大革命で失脚したが1970年代末に復活。中国社会学研究会の結成(1979)、中国社会科学院社会学研究所の設立(1980)に尽力、同研究所初代所長を務めた。人類学的フィールドワークに基づいた詳細な「社区研究community studies」から少数民族研究まで関心は多岐にわたるが、社会研究が中国社会の発展に有用であるとする応用科学的信念をもち続けた。「中華民族多元一体格局」(「中華民族」は多様でありながら統一性をもつ)という概念を提示して話題をよんだ。[中嶋聖雄]
『仙波泰雄・塩谷安夫訳『支那の農民生活』(1939・生活社) ▽費孝通著、横山廣子訳『生育制度――中国の家族と社会』(1985・東京大学出版会) ▽費孝通著、小島晋治他訳『中国農村の細密画 ある農村の記録 1936―82』(1985・研文出版) ▽費孝通編著、西澤治彦他訳『中華民族の多元一体構造』(2008・風響社) ▽佐々木衛著『費孝通――民族自省の社会学』(2003・東信堂) ▽R.David Arkush『Fei Xiaotong and Sociology in Revolutionary China』(1981・Harvard University Press)』

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