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趙氏孤児 ちょうしこじZhao-shi gu-er

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

趙氏孤児
ちょうしこじ
Zhao-shi gu-er

中国,元の戯曲。紀君祥の作。『史記』の世家などにみえる春秋時代晋の将軍屠岸賈 (とがんこ) の故事を脚色,趙氏の最後の1人まで殺そうとする屠と,身を犠牲にしてそれを守り抜く忠臣との緊張を,ゆるみない筆致で描いた元曲中の傑作。 18世紀に英,仏訳されてヨーロッパにも紹介された。

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デジタル大辞泉の解説

ちょうしこじ〔テウシコジ〕【趙氏孤児】

中国、元代の戯曲。紀君祥(きくんしょう)の作とされる。春秋時代、一族を皆殺しにされた晋(しん)の趙氏の孤児による復讐の物語に基づく。ボルテールの「中国の孤児」はその翻案

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世界大百科事典 第2版の解説

ちょうしこじ【趙氏孤児 Zhào shì gū ér】

中国元代の戯曲。4折(幕),ただし《元曲選》本は5折。作者は紀君祥。春秋時代,晋の家老趙朔(ちようさく)は同僚の屠岸賈(とがんこ)のために一族皆殺しにあうが,生まれたばかりの遺児が,3人の義士の生命を賭した庇護によって毒牙をのがれ,成人のあかつき復仇する。《史記》や《説苑(ぜいえん)》などに見える史実にもとづく。雑劇形態の4段構造がみごとに生かされた元曲の傑作で,無名氏によって南戯にも改編され,18世紀にはフランス語訳や英訳が上梓され,さらに,ボルテールの翻案劇まで現れている。

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大辞林 第三版の解説

ちょうしこじ【趙氏孤児】

中国、元代の戯曲。紀君祥きくんしよう作。晋しんの家老趙朔ちようさくの遺児が、皆殺しにされた一族の仇を討つ。一八世紀には英訳・仏訳。ボルテールの翻案「中国孤児」がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

趙氏孤児
ちょうしこじ

中国、元代の戯曲。四折(せつ)(幕)。紀君祥(きくんしょう)(元代前期の人)作。晋(しん)の霊公の武臣屠岸賈(とがんか)は、対立する文臣趙盾(ちょうとん)一族を殺害し、遺児の行方を追う。医者程嬰(ていえい)は遺児を薬箱に隠し連れ去るが、見張りの韓厥(かんけつ)は屠の無法を憎み、これを見逃して自害する。程は実子を公孫杵臼(しょきゅう)に預け、趙氏の孤児と偽り屠に殺させ、国中の嬰児(えいじ)を殺戮(さつりく)から救う。孤児は皮肉にも屠の養子となり、成長後、程から真相を描いた絵巻をみせられて一族の仇(あだ)屠を捕らえて討つ。18世紀ヨーロッパに伝わり『中国孤児』(ボルテール)に翻案された。『元雑劇三十種』、『元曲選』(後人が第五折を加える)所収。南曲の『趙氏孤児記』(元末明(みん)初の作品、作者不詳)は筋が複雑化し、孤児は父母と再会、幸せな結末に改編されている。[平松圭子]
『吉川幸次郎解説『趙氏孤児記』(1979・同朋舎出版)』

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世界大百科事典内の趙氏孤児の言及

【中国学】より

…翌年にはオランダで縮刷版が出,続いてイギリスで英語版が出された。また本書で翻訳された唯一の文学作品たる元曲《趙氏孤児》は,まもなく中国びいきのボルテールによって翻案され,55年に《中国の孤児》と題してパリで上演されたのであった。 19世紀に入ると,フランスを最初として,ヨーロッパの主要大学に中国学の講座が設けられ,中国研究を専門とする学者が輩出するにいたった。…

※「趙氏孤児」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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