列車、バスなどに乗務して、旅客、荷物の取扱いや運転の安全に関する事務を行うための業務につく者。
鉄道の場合、車掌の業務は、旅客列車においては快適な旅行ができるように車内の清潔、秩序維持に努め、車内補充券の発行、旅行の案内、手荷物の対応を中心とした接客をすることである。運転の安全に関しては、ドアの開閉をはじめ、車両故障の発見や追突防止のための後方防護、事故発生またはその可能性のある場合の非常制動ならびに併発事故防止の処置などがあげられる。
バスの場合、車掌は車内での乗車券類の発売、踏切での運転の誘導、狭隘路(きょうあいろ)でのすれ違い場所へのバック誘導、起終点での方向転換誘導などを担当する。しかし、ワンマン運転のバスが標準化した現在、車掌が乗務していることはほとんどない。プリペイドカードやICカードの普及、道路や折返し場所の拡幅、車体への後方監視カメラの普及などにより、バスの車掌は運行にとって必須(ひっす)な職種ではなくなってきたからである。
鉄道でも、自動改札機やICカードの普及、ホーム監視カメラやホームドアの普及などにより車掌の業務を運転士が兼務できるようになり、車掌は人員削減傾向にある。ただし、ワンマン化に際しては、「鉄道営業法」(明治33年法律第65号)第1条の規定に基づいて制定された、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」(平成13年国土交通省令第151号)第8章第6節の「動力車を操縦する係員が単独で乗務する列車等の車両設備」(86条)に定められた車両の基本的な条件を満たす必要がある。
[松尾光芳・藤井秀登 2021年3月22日]
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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