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伐倒された木材は近くの土場に集められ,トラックなどにより木材消費地あるいは他の運搬機関の中継点に運ばれる。木材生産工程のうちの集材に続くこの工程を運材という。運材は大別して陸上運材と水上運材とに分けられる。陸上運材は木馬(きんま)運材,橇(そり)運材,車両運材,鉄道運材,索道運材などがあるが,現在日本で用いられているのはトラックによる車両運材と索道運材である。かつては比較的短距離の場合は木馬や畜力を利用したり,長距離でしかも運材量の多い場合は森林鉄道が用いられた。昭和20年代に入り自動車工業の隆盛にともない林道を利用したトラックによる運材が主流になった。地形が急峻で林道の開設が十分でない場合は索道運材が用いられる。空中に張られた鋼索により木材を運搬するこの方法は,林地を損傷することが少なく,地形やこう配などの制限も少ないので全国的に普及し,技術的にも発達して長距離・多支間・連送式のものが用いられるようになった。水上運材は河川を利用した管(くだ)流し,筏(いかだ)流しと,湖水や海などで行われる海上筏などがある。河川を利用する水上運材は,まだ適切な陸上運材施設が少なかったころには長距離運材によく用いられてきたが,陸上運材に比して木材の損傷や消失が多く,天候や水量などに影響されて搬出に多大の日数を要することなどのほかに,各地で水力発電ダムの建設が進みしだいに陸上運材に切り換えられた。運材に要する費用は木材生産費の大部分を占めているので,運材作業の合理化,機械力の導入,林道の整備などによって運材能率を高める必要がある。
海外における運材はトレーラートラックなどの大型トラックを用いる方法が多いが,河川を利用する水上運材も行われている。また北アメリカではヘリコプターによる運材も行われている。
執筆者:上飯坂 実
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…伐木をこのような堰につぎつぎに送流し,適当な水量のところから1本ずつ流す。これまでの過程は,カワガリ(川狩)人夫である運材稼業者の手で行われ,その運材法をセキ(堰)ナガシ,クダ(管)ナガシという。水量豊かな本流の適地をアバ(網場)といい,網を張って集材する。…
※「運材」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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