カーリット(読み)かーりっと(英語表記)Carlit

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カーリット」の意味・わかりやすい解説

カーリット
かーりっと
Carlit

スウェーデンのカールソンOscar Birger Carlson(1873―1928)の発明した、過塩素酸塩基剤とし、その含有量が10%を超える爆薬。とくに日本で発達し、日本カーリット株式会社で独占的に製造された。成分過塩素酸アンモニウム、ケイ素鉄、木粉、重油などである。威力は強いものの、あとガス後ガス)に問題があるので、石灰石露天掘りなどに使われたが、後ガスを改良して坑内用にも使われた。硝安油剤爆薬や含水爆薬がカーリットにかわって用いられており、1998年(平成10)以降は製造されていない。

吉田忠雄・伊達新吾]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーリット」の意味・わかりやすい解説

カーリット
carlit

爆薬の一つ。スウェーデンの O.B.カールソンが 1896年に完成させた発明を,浅野総一郎が採用して生産を始め,「カーリット」と命名した。日本で発達した爆薬。過塩素酸アンモニウムを主剤とし,これにケイ素鉄,木粉,重油,ジニトロナフタリンなどを混ぜ,紙筒に詰め,パラフィン紙で包装したもの。金属鉱山,土木炭鉱で用いる。最近は,あまり使用されていない。

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