病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「過敏性腸症候群治療剤」の解説
過敏性腸症候群治療剤
《メペンゾラート臭化物製剤》
トランコロン(アステラス製薬)
メペンゾラート臭化物(鶴原製薬)
《メペンゾラート臭化物・フェノバルビタール配合剤》
トランコロンP(アステラス製薬)
《ポリカルボフィルカルシウム製剤》
コロネル(アステラス製薬)
ポリカルボフィルCa(日医工)
ポリフル(マイランEPD)
《ラモセトロン塩酸塩製剤》
イリボー(アステラス製薬)
イリボーOD(アステラス製薬)
《リナクロチド製剤》
リンゼス(アステラス製薬)
過敏性腸症候群は、下痢や便秘、腹部の不快感、腹鳴(おなかがゴロゴロ鳴る)といった症状が慢性的に続く病気で、大腸にはこれといった病変はなく、精神的ストレスが大きな原因になっていると考えられています。過敏性腸症候群の治療に用いられる薬が過敏性腸症候群治療剤です。
メペンゾラート臭化物製剤・配合製剤は抗コリン剤の一種で、腸の機能を整えます。
ポリカルボフィルカルシウム製剤は便の水分バランスをコントロールして、下痢と便秘の両方を改善します。
ラモセトロン塩酸塩製剤は、下痢型過敏性腸症候群に効果があります。
リナクロチド製剤は、便秘型過敏性腸症候群に用いられます。
そのほかに、過敏性腸症候群の消化器症状に適応をもつ薬としてチアトン(チキジウム臭化物製剤)、セレキノン(トリメブチンマレイン酸塩製剤)などがあります。
①過敏症状(
メペンゾラート臭化物・フェノバルビタール配合製剤で、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮
②口が渇く、尿が出にくい、目がかすむといった症状のほか、むくみ、吐き気・
①いろいろな剤型がありますが、食後の服用が原則です。ただし、1日あるいは1回の服用量・服用時間については医師の指示を守り、かってに中止、減量・増量しないでください。
また、服用するときは、十分な水(コップ1杯の水)で飲んでください。
②下痢の治療には、消化のよい食事、安静、保温などが重要で、これを守らないかぎり、薬を服用しても無意味です。
③過去にこの薬で過敏症状をおこしたことのある人、メペンゾラート臭化物・フェノバルビタール配合製剤は、緑内障・
④三環系抗うつ剤、抗精神病剤のフェノチアジン系抗精神病剤、抗炎症剤の抗ヒスタミン剤を併用すると、抗コリン剤(過敏性腸症候群治療剤)の作用が増強されることがあります。
また、薬によっては、アミノフィリン製剤、卵胞・黄体ホルモン剤、ベラパミル塩酸塩製剤、フェロジピン製剤、フレカイニド酢酸塩製剤などで作用が減弱されることがあります。
ほかの病気の治療のために、こうした薬を服用している人は、あらかじめ医師に報告してください。
⑤メペンゾラート臭化物・フェノバルビタール配合製剤は、アルコール飲料と併用すると、抗コリン剤の薬理作用が過剰に現れるので、服用中は禁酒を守ってください。
⑥メペンゾラート臭化物・フェノバルビタール配合製剤は、ねむけ、目がかすむといった副作用をおこすことがあるので、自動車運転などは避けましょう。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報