道人(読み)ドウニン

デジタル大辞泉 「道人」の意味・読み・例文・類語

どう‐にん〔ダウ‐〕【道人】

仏道修行する人。どうじん。
「―は、遠く日月を惜しむべからず」〈徒然・一〇八〉

どう‐じん〔ダウ‐〕【道人】

仏道の修行をする人。また、出家得道した人。どうにん。
道教を修めた人。神仙の道を得た人。
俗事を捨てた人。世捨て人。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「道人」の意味・読み・例文・類語

どう‐じん ダウ‥【道人】

〘名〙
※米沢本沙石集(1283)一〇末「道人(ダウジン)の境たる故に委(くわし)く私の詞をそへて書付侍り」
② 神仙の道を得た人。また、道教を修めた人。どうにん。〔漢書‐京房伝〕
③ 道を得た人。ある道を極めた人。
※艸山集(1674)一四・春夜不寝戯和袁中即漸々詩「学者漸漸繁、道人漸漸稀」
世俗の事を捨てた人。世捨て人。
随筆雲萍雑志(1843)一「さまざまに好みを致せども、くせを捨ざれば、風流の道人(ダウジン)にはあらず」 〔韋応物‐幽居詩〕
書家などの号として用いる。「秋艸道人

どう‐にん ダウ‥【道人】

〘名〙
仏語。世を避けて仏道修行をしている人、または、出家得道した人。また、仏道以外の修行者にも用いた。どうじん。
※続日本紀‐養老二年(718)一〇月庚午「道人違通、輙軽皇憲
徒然草(1331頃)一〇八「されば道人は、とほく日月を惜しむべからず」 〔大智度論三六
② 道教を修めた人。また、道教の人が自称に用いた。どうじん。
万葉(8C後)五・沈痾自哀文「所以道人方士、自負丹経於名山而合薬者、養性怡神以求長生

みち‐びと【道人】

〘名〙 道を行く人。往来の人。
※建長三年九月十三夜影供歌合(1251)一五三番「みち人の時雨をすぐすほどとても紅葉の蔭をよそにやはみる〈少将内侍〉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「道人」の読み・字形・画数・意味

【道人】どう(だう)じん

求道の人。宋・黄庭堅〔元実(温)の目を病むに次韻す〕詩 人嘗(かつ)て恨む、未だ(くわい)(冷却)せざる心を 儒士(はなは)だ愛す、讀書の眼

字通「道」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の道人の言及

【道士】より

…仏教における僧侶にあたる。元来,〈道人〉の語とともに広く〈有道の士〉を意味し,仏教の僧侶もこの語でよばれることがあった。同時にこの語には〈道術の士〉〈方士〉の意味がそなわっており,およそ4世紀以後,もっぱら道教の専門的実修者をさすようになった。…

【僧】より

…厳密には,得度した者が僧,具足戒を受けた者は大僧,出家して得度にいたらぬ有髪の修行者は童行,行者といった。僧は別に比丘,桑門,沙門,和尚,道人などさまざまによばれる。 中国に仏教が初めて伝来した漢代では,出家するのはほとんど渡来の外国人とその子孫であって,漢人の出家はまれであった。…

※「道人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android