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遡河魚 そかぎょanadromous fish

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遡河魚
そかぎょ
anadromous fish

昇河魚ともいう。サケ,マス,アユなどのように産卵のため川にのぼる魚。ただし,淡水中で産卵も含めての一生をおくるように生活史が変化したものもあり,これは陸封型といわれる。たとえばヒメマスはベニザケの陸封型である。これに対して,ウナギのように普段は淡水域で生活していて,産卵のために海へ下る魚類を降河魚 catadromous fishという。

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世界大百科事典 第2版の解説

そかぎょ【遡河魚 anadromous fish】

魚類はすんでいる場所により海産魚と淡水魚に分けられるが,多くの魚の中には,一生のうちのある特定の時期を海洋で,その他の時期を淡水で過ごすものがある。そのような魚のうち,主として海洋で成育し,産卵を淡水中で行うものを遡河魚または昇河魚という。カワヤツメチョウザメ,サケ,イトヨなどがその例。その反対に,淡水中で成長し,産卵期に近づくと川を下って海に出,海洋中で産卵するものを降河魚または降海魚catadromous fishという。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遡河魚
そかぎょ
anadromous fish

海洋で餌(えさ)をとって成長し、産卵のために河川または湖へ回遊する魚類をいう。遡上魚(そじょうぎょ)ともいい、ウナギのように産卵のために海へ下る降河型の魚と対比して用いる。多くは、大きくて粘着性の卵を産み、河川または湖沼に陸封される個体をもつ。ワカサギ、シシャモ、シラウオなどは沿岸域にいて、春に川をさかのぼって河口域で産卵する。海に入ったイトヨは沿岸で越冬したのち、3月ごろに遡上して標高100メートル以下の下流域で産卵する。ウグイも内湾にすみ、春に川で産卵する型がある。
 ヤツメウナギ類、チョウザメ類、サケ・マス類は、海で1年から数年間生活して大きく成長し、川へ帰って上・中流域で産卵する。とくにサケ・マス類は母川へ帰る習性があり、これを母川回帰という。同じ種類でも、種族によって川をさかのぼる季節や、体の大きさ、形態にも違いがあり、それらの形質が子孫に遺伝される。系統的にかけ離れたこれらの魚類間に、共通して、それぞれ産卵する季節をずらした種族があることは興味深く、洪水その他の天災、病気などによる被害を分散させる効果がある。また、種族間での漁期の最盛期の差は魚価の安定につながる。[落合 明・尼岡邦夫]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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