コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

遣水 やりみず

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遣水
やりみず

庭園などにを導き入れて流れるようにしたもの。流水曲折にさまざまな工夫が凝らされ,また水中の底石,流れを変える横石,水越石などの配置にも独特の苦心が払われた。平安・鎌倉時代庭園では重視されたが,室町時代以降は枯山水の庭園が流行するにつれて次第に衰退した。『作庭記』に造り方が詳説されているが,それに近い構成が平泉毛越寺遺跡で発掘されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

遣水【やりみず】

庭園内に水を導き流れるようにしたもの。多く岩石草木等を配し風致をそえる。寝殿造の庭園では一般に北東から入れ南西に流出させる。
→関連項目枯山水

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遣水
やりみず

平安時代の寝殿造(しんでんづくり)において、外から引き入れて庭園につくった流れ。当時の物語などでは、その流れを引いてつくった池泉のことも遣水とよんでいる。造園意匠としては、平安期から鎌倉期にかけて流行した、曲水(きょくすい)を稲妻形に流した流れをいうが、現存するものはほとんどなく、福岡県の太宰府(だざいふ)天満宮、同横岳崇福寺(おうがくすうふくじ)のものがあるくらいである。平安中期の作庭方法論書『作庭記』では、東より南に迎えて西へ流すのを順流とす、といっている。また、遣水にはかならず板石状の石橋を低く架けるのが普通で、これは庭園の石橋として古い例である。昭和になってから重森三玲(みれい)により、古式を踏まえた遣水が奈良・春日(かすが)大社社務所北庭、島根県・村上邸山泉居露地、山口県・漢陽寺に作庭された。[重森完途]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の遣水の言及

【庭園】より

…中島の裏側には楽屋がつくられ,舟遊びに興をそえることもあった。南庭には遣水(やりみず)と呼ばれる流れが寝殿と東の対屋(たいのや)との間,透渡廊(すきわたろう)の下をくぐって流れていた。池がつくられないような狭い敷地の場合でも,この遣水だけはつくられた。…

※「遣水」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

遣水の関連キーワード修学院離宮(しゅがくいんりきゅう)伝堀越御所跡託言がまし毛越寺境内心地行く重森三玲行き合ひマユミ飛び石ものは細小井泉殿渡殿泉水

今日のキーワード

天網恢恢疎にして漏らさず

《「老子」73章から》天の張る網は、広くて一見目が粗いようであるが、悪人を網の目から漏らすことはない。悪事を行えば必ず捕らえられ、天罰をこうむるということ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android