避雷(読み)ヒライ(その他表記)protection against lightning

デジタル大辞泉 「避雷」の意味・読み・例文・類語

ひ‐らい【避雷】

落雷を避けること。かみなりよけ。

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精選版 日本国語大辞典 「避雷」の意味・読み・例文・類語

ひ‐らい【避雷】

  1. 〘 名詞 〙 落雷を避けること。かみなりよけ。
    1. [初出の実例]「避雷の法を発明したるの後」(出典:文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉四)

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改訂新版 世界大百科事典 「避雷」の意味・わかりやすい解説

避雷 (ひらい)
protection against lightning

雷による種々な災害を避ける方法。雷撃による死亡者数をみると,日本では年間数十名程度で他の自然災害に比べて多くはないが,電力系統に発生する事故では雷によるものがもっとも多く,火災や航空機の事故,雷放電による電波雑音障害まで考えると非常に広い範囲に及んでいる。

雷雲が近づいてきたら安全な場所に避難すること。避雷針を備えた建物の中や駐車場や道わきに止めた車の中は安全である。車の運転中雷に出会ったらすみやかに道路わきに止めること。雷放電の光によって目がくらみ事故になるおそれがある。避雷針がなくても鉄筋コンクリートの建物内はかなり安全な避難場所である。野外の場合はくぼ地にしゃがむこと。ゴルフ場ではバンカー内がよい。落雷しそうな高い木を避雷針として利用する方法もあるが,木の幹など雷電流が流れる場所から数m以上離れる必要があり,枝先から複数の放雷路がのびるおそれもあるので落雷しそうなものからは離れるほうが無難である。雷撃時には大地に電流が流れるので寝そべったり手をつくのは危険で,なるべく低い姿勢でしゃがむのがよい。傘,釣りざお,ゴルフクラブ,ラケット農具など長いものは低い場所に横たえ身体から遠ざけたほうがよい。

雷撃を受けとめる電極と,雷電流を安全に大地へ流す導体と接地電極よりなる。避雷針によって雷撃を免れる範囲を保護範囲と呼ぶ。平面上に高さhの金属柱がある場合,柱の根もとを中心とする半径hの平面上の円を底とする高さhの円錐内を一応保護範囲と考えてよいが,今日においても種々の研究が進みつつあり,厳密には確率的に考える必要がある。上部電極としては先のとがった突針が一般的であるが,金属線を張る場合,金属網をかぶせる場合もある。送電線では最上部に架空地線を張り送電用導体が直撃されるのを防いでいる。架空地線への雷撃電流鉄塔を通って大地へ流入する。

おもに変電所などで用いられ,雷による過電圧が加わると大地へ電流を流して過電圧を低減する装置である。過電圧が加わったときだけ働くスイッチの役目をする直列ギャップと非直線抵抗体から構成されていたが,最近,日本でニューセラミックス一種である酸化亜鉛ZnOを主成分とする優秀な非直線抵抗体が開発されたため直列ギャップは不要になり,世界各国にこの新型避雷器が普及しつつある。

雷雲の発生とその進行方向を観測し,航空機の飛行経路の決定や,送電線による電力輸送経路を制御することが行われている。雷雲をレーダーで観測する方法や,雷放電で発生する電磁波を計測する方法が用いられている。最近小型ロケットで雷放電を特定の場所に導く方法やレーザー誘雷,雷雲の電荷を地上からのコロナ放電電荷で中和する方法などが研究されているので,積極的に雷を消滅させることも将来可能になるかもしれない。
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普及版 字通 「避雷」の読み・字形・画数・意味

【避雷】ひらい

かみなりを避ける。〔盛弘之州記〕湖陽縣は春秋(れう)國なり。樊重(はんちよう)の邑なり。重の母、雷を畏る。石室を爲(つく)りて之れをく。~今ほ存す。

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