酒々井(読み)しすい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「酒々井」の意味・わかりやすい解説

酒々井(町)
しすい

千葉県北部、印旛郡(いんばぐん)にある町。下総(しもうさ)台地北部にあって、印旛沼低地を望む。1889年(明治22)町制施行。清水が湧(わ)く土地の意から、酒の湧き出す井戸の伝説が生じ町名となった。台地上をJR成田線総武本線京成電鉄本線および国道51号、296号、東関東自動車道が通じる。戦国時代に千葉輔胤(すけたね)は現在の本佐倉の将門(まさかど)山を居城とし、1590年(天正18)に滅亡するまで約130年にわたって酒々井の城下町は栄えた。本佐倉城跡は国の史跡に指定された(1998)。江戸時代には幕府の野馬の放牧地佐倉牧が置かれ、中期以後は成田参詣(さんけい)の宿場町としても発展した。米作と近郊農業のほか、工業は江戸時代から続く酒造業が盛んである。成田国際空港のある成田市の南にあり、1975年(昭和50)ごろから中央部の台地は住宅地開発が著しく、町の人口が急増し、農業の町から住宅都市の性格ももつようになった。六所神社(ろくしょじんじゃ)の墨獅子舞(すみししまい)は念仏を伴う民俗芸能で県指定無形民俗文化財。面積19.01平方キロメートル、人口2万0745(2020)。

[山村順次]

『『酒々井町史 史料集1~5』(1976~1980・酒々井町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「酒々井」の意味・わかりやすい解説

酒々井[町] (しすい)

千葉県北部,印旛(いんば)郡の町。人口2万1234(2010)。印旛沼南東岸に位置し,下総台地の中央部を占める。中心集落の酒々井は近世成田街道宿駅として栄えた町で,幕府の馬牧佐倉牧の御払場と野馬会所も置かれ,毎年秋の捕馬の時季には馬のせり市が行われた。現在は周辺農村の小商業中心で,JR成田線,京成成田線,国道51号線が通る交通の要地である。駅周辺で住宅地開発が進み,1970年代中ごろから人口が増加しており,東京区部や千葉市などへの通勤者がふえている。かつてはラッカセイの生産も盛んであり,農林水産省の総合実験農場がある。本佐倉(もとさくら)には戦国時代に千葉氏が拠った本佐倉城跡がある。
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百科事典マイペディア 「酒々井」の意味・わかりやすい解説

酒々井[町]【しすい】

千葉県北部,印旛(いんば)郡の町。印旛沼南岸の下総(しもうさ)台地上にあり,中心市街は中世の城下町,近世の成田街道の宿場町として発達した。米,蔬菜を産し,酒造を行う。総武本線,成田線,京成電鉄が通じる。東日本大震災で,町内において被害が発生。19.01km2。2万1234人(2010)。

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