ヒ素の酸化物の総称。酸化数ⅢとⅤの化合物,三酸化二ヒ素と五酸化二ヒ素とが知られている。四酸化二ヒ素As2O4も存在するというが詳しいことはわかっていない。三酸化二ヒ素As2O3は亜ヒ酸ともいわれる(〈亜ヒ酸〉の項参照)。
化学式As2O5。三酸化二ヒ素を濃硝酸で酸化してから蒸発乾固させ,250~300℃で脱水する。315℃以上で三酸化二ヒ素と酸素に分解する。比重4.09,白色無定形粉末。潮解性で,水に溶けてヒ酸を形成する。水溶液を濃縮して冷却すると,種々の条件によってH3AsO4・1/2H2O,H3AsO4・2H2O,As2O5・5/3H2Oの結晶が成長する。酸,アルカリ,エチルアルコールに溶ける。動物実験では毒性はAs2O3よりは弱いが取扱いには注意を要する。
執筆者:漆山 秋雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
【Ⅰ】酸化ヒ素(Ⅲ):As2O3(197.84).三酸化二ヒ素,無水亜ヒ酸ともいう.天然ひ石や硫化鉱物の製錬で生じる煙灰中に存在する.白ヒ,ヒ華などいろいろな名称でよばれている.低温形の立方晶系のものは融点275 ℃.密度3.89 g cm-3.高温形の単斜晶系(転移点221 ℃)のものは融点313 ℃,沸点465 ℃(昇華).密度4.02 g cm-3.気体では800 ℃ 以下ではAs4O6分子とされている.水には常温で2% ほどの濃度に溶け亜ヒ酸水溶液となる.殺虫剤,医薬品,農薬,顔料(エメラルドグリーン),染料,脱硫剤,触媒,防腐剤,ガラス(脱色)などに用いられる.猛毒で致死量は0.1 g といわれる.[CAS 1327-53-3]【Ⅱ】酸化ヒ素(Ⅴ):As2O5(229.84).五酸化二ヒ素ともいう.ヒ酸の加熱脱水でつくられる.400 ℃ 以上では三酸化二ヒ素と酸素に分解する.潮解性で水に易溶で,水に溶けてヒ酸水溶液となる.ガラス成分に用いられる.有毒.[CAS 1303-28-2]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新