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金融先物取引 きんゆうさきものとりひきfinancial futures transaction

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

金融先物取引
きんゆうさきものとりひき
financial futures transaction

商品先物取引の手法を金融商品取引に応用し,金融先物商品を将来の一定時点 (通常3月,6月,9月,12月の特定日) を決済期限として売買単位に応じた証拠金で売買するもの。価格変動リスクのヘッジ,投機,裁定の機能をもつ。売買対象となる商品により通貨先物,金利先物,株価指数先物などに分けられる。 1972年にアメリカのシカゴ商業取引所の中に国際金融市場 IMMが設立され,円やマルクなどの通貨の先物取引が行われたのが始りである。取引所には取引の実行を保証し,かつ決済を担当する機関として精算会社があり,すべての取引は精算会社と精算会員との間で行われる。日本では 85年 10月に債券先物,87年6月に株価指数先物取引が導入されたのち,89年6月,東京に金融先物市場が創設され,日本円短期金利先物,米ドル短期金利先物,日本円・米ドル通貨先物 (92年5月廃止) が発足した。その後,91年2月に米ドル・日本円通貨先物,7月に日本円短期金利先物オプション取引,92年7月には日本円金利先物の取引が始った。

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知恵蔵の解説

金融先物取引

将来の一定時点に特定の商品を売買することとして、現時点で価格と数量を契約しておく取引を先物取引という。金融先物取引は、取引対象商品が金融商品であり、架空の国債(標準物)を取引対象とする債券先物、東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価を取引対象とする株価指数先物のほか、金利先物や通貨先物等がある。期日前の転売や、買い戻しといった反対売買による決済も可能。債券や株式の価格変動または金利変動等のリスクヘッジに利用されるほか、現物・先物間の価格差に着目した裁定取引(アービトラージ)、将来の価格変動を予想して行う投機取引(スペキュレーション)にも利用される。1972年にシカゴ・マーカンタイル取引所が国際通貨市場を開設したのが始まりで、日本では85年に東京証券取引所で長期国債の債券先物取引を開始、89年に東京金融先物取引所(TIFFE、2005年4月よりTFX)が創設され、金利、通貨の先物取引が始まった。なお、従来、金融先物取引は複数の法律に分かれて規定されていたが、06年6月7日に証券取引法等の一部を改正する法律が成立し、金融商品取引法で一体的に規定されることとなった(公布日から1年6カ月以内の政令指定日に施行)。

(吉川満 (株)大和総研常務理事 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

デジタル大辞泉の解説

きんゆう‐さきものとりひき【金融先物取引】

金利・通貨・債券株式のような金融商品を現時点で約定した価格により、将来の一定期日に受け渡すことを約束する取引。

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百科事典マイペディアの解説

金融先物取引【きんゆうさきものとりひき】

将来の特定の日時(例えば3ヵ月後や6ヵ月後)に商品の受渡し代金の決済をすることを現在の時点で行う契約取引を先物取引といい,これを通貨,債券,金利,株価指数など金融商品に応用したものをいう。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

大辞林 第三版の解説

きんゆうさきものとりひき【金融先物取引】

通貨・金利・債券・株式などの金融商品について、将来の特定の時期にその取引対象を売買することを現時点で約する取引。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

金融先物取引
きんゆうさきものとりひき
financial futures transaction (contract)

金融商品について行われる先物取引。先物取引とは、将来の特定期限に定められた数量と価格で受渡しすることを約束する取引である。
 先物取引の機能は、敏速・確実な大量取引による公正な先行価格指標の形成、価格の平準化、および価格変動に起因するリスクヘッジ(危険回避)にあるが、金融先物取引では最後の点がとくに重要である。その要点は、金融資産について先行き相場の下落を予想したときは先物市場で売り契約を行い、約束の期限までに予想通りになれば買い戻すことによって差益を出す。予想が外れて相場が上がった場合、先物では損になるが、資産は値上がりになっているので、損失を相殺することができる。
 金融先物取引は、対象となる金融資産(商品)によって、通貨先物取引(米ドル、ユーロなど)、金利先物取引(ユーロ円金利先物、同オプション、無担保コール・オーバーナイト金利先物など)、指数先物(TOPIX(トピックス)先物、日経225先物など)に分けられる。これらの取引は、証券取引所の先物市場と金融先物取引所(実際の商号は金融商品取引所)で行われる。取引は信用取引と同様に、委託証拠金を入れることにより行うことができる。委託証拠金は、売買金額の9%、最低600万円となっているので、比較的小さな金額で大きな取引が可能になる。指数先物が典型的であるが、売買される対象は実物のない商品であるから、期限までに売ったものはかならず買い戻し、買ったものはかならず売らねばならない。そのための期限を限月(げんげつ)といい、3、6、9、12月の第2金曜日の前日と定められている。すなわち先物取引は限月取引であり、つねに五つの限月取引が並行して展開され、最長期間は1年3か月の5限月取引となる。取引所では、急激な相場の変動から投資家を保護するために、値幅制限(基準値段の上下16%程度)を設けている。売買した結果は、売買代金の価格差を清算する差金決済として処理される。
 日本の金融先物取引を規制してきた金融先物取引法は2007年(平成19)に廃止され、関連する法律を統合して新たに金融商品取引法が制定され、取引所は証券会員制法人または株式会社として組織されることになった。証券取引所のうち、東京、大阪、名古屋は株式会社、札幌、福岡は証券会員制法人であり、金融先物取引専門の東京金融取引所は株式会社である。[森本三男]

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