鉄細菌(読み)てつさいきん

大辞林 第三版の解説

てつさいきん【鉄細菌】

二価鉄イオンを三価鉄イオンに酸化し、そのとき発生するエネルギーを利用して炭酸固定をする好気性細菌。鉄酸化細菌。

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百科事典マイペディアの解説

鉄細菌【てつさいきん】

鉄バクテリアとも。水中の鉄を酸化して獲得されるエネルギーを用いて炭酸同化作用を営む細菌。糸状で同筒形の細胞の外側を鞘(さや)がつつむ。鞘は最初透明だが,しだいに水酸化鉄の沈殿がたまり掲色になる。生殖は分裂か遊走子の形成による。代表的なものはレプトスリクス
→関連項目独立栄養

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世界大百科事典 第2版の解説

てつさいきん【鉄細菌 iron bacteria】

上水道水によくみられる鞘(しよう∥さや)細菌目Chlamydobacterialesに含まれる細菌。水中の鉄を酸化し,体の周辺に水酸化鉄を多量にためている。一般にみられるものにはレプトスリクスLeptothrix,クレノスリクスCrenothrix,ガリオネラGallionella,シデロカプサSiderocapsaなどがあり,その中で最も普通にみられるものはレプトスリクスである。細菌体は糸状で,その中に同筒形の細胞が入っている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鉄細菌
てつさいきん
iron bacteria

二価鉄イオンを分子状酸素で三価鉄イオンに酸化することによって炭酸同化のエネルギーを得る細菌。土壌中の鉄は有機または無機の形をとり、不溶性であるが、鉄細菌の作用によって、直接または間接的に溶解性となる。鉄細菌には、ネジレ鉄細菌属Gallionella、イト鉄細菌属Leptothrix、鉄細菌属Siderocapsaなどがあり、いずれも水酸化鉄を多量に蓄積するが、炭酸ガス(二酸化炭素)の同化性をもつものはネジレ鉄細菌属だけである。また、チオバチルスThiobacillus ferrooxidansは酸性条件下で二価鉄を酸化して炭酸を固定する。二価鉄の酸化によるエネルギーは小さいため、多量の二価鉄が必要であり、その結果、水酸化鉄()Fe(OH)3ができる。[曽根田正己]

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