リート

デジタル大辞泉 「リート」の意味・読み・例文・類語

リート(〈ドイツ〉Lied)

ドイツの芸術歌曲。特にピアノ伴奏つきの独唱曲として、シューベルトシューマンらにより隆盛期が築かれた。

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精選版 日本国語大辞典 「リート」の意味・読み・例文・類語

リート

  1. 〘 名詞 〙 ( [ドイツ語] Lied 「歌」の意 )[ 異表記 ] リード ドイツの芸術的歌曲。中世のミンネゼンガーの時代から発達し、詩に旋律をつけただけでなく、豊かな楽想に富むピアノ伴奏部を伴う。シューベルト、シューマンらにより隆盛期が築かれた。〔外来語辞典(1914)〕

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百科事典マイペディア 「リート」の意味・わかりやすい解説

リート

ドイツ語で〈歌〉の意。一般にドイツ語の歌曲,ドイツ・リートをさす。複数形はリーダーLieder。モーツァルト,ベートーベン,レーウェ,シューベルト,シューマン,ブラームスウォルフマーラー,R.シュトラウス,レーガーなどの独唱曲が代表的で,詩の内容やリズムと一体化した音楽形式が古典派から後期ロマン派の時代にかけて完成度を高めた。ピアノ伴奏が一般的だが,マーラー以降は管弦楽伴奏による作品も多い。歴史的には15−16世紀の多声のものもある。なお,ドイツ語のリートが意味する〈芸術歌曲〉に当たるものとしてフランスには〈メロディ〉の語があり,19世紀中葉以降のフランス近代歌曲をこう呼ぶ。ベルリオーズグノーの作品を先駆として,フォーレデュパルク,ドビュッシー,ラベルなどの作品が代表的。ドイツ・ロマン派のリートではゲーテハイネの詩が,フランスのメロディではボードレールベルレーヌマラルメなどの詩が好んで取り上げられた。→シャンソンリート形式
→関連項目アリアウォルフカバティーナシュトラウスシューベルトシューマンシュワルツコップデシャンヒュッシュフィッシャー・ディスカウフォーレ冬の旅ブンダーリヒベルガーラッススレーウェレーマン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リート」の意味・わかりやすい解説

リート
りーと
Lied ドイツ語

歌曲。17、8世紀にはドイツ語の叙情詩による有節形式の簡素な歌曲を示したが、今日ではドイツ語による歌曲全般をさすことが多い。フォルクス・リートVolkslied(民謡)、クンスト・リートKunstlied(芸術リート)、コアー・リートChorlied(合唱リート)などの区別がなされることもある。わが国ではリートは通常クンスト・リートをさす。ピアノ伴奏の作品が多い。

 リートは17、8世紀から作曲されているが、これらはフォルクス・リートに近く、芸術性に欠けていた。19世紀初頭に活躍したシューベルトは『糸を紡ぐグレートヒェン』『野ばら』『鱒(ます)』『冬の旅』などを作曲し、これらによってリートの規模を拡大し、伴奏のピアノに多彩な表現力を与えた。彼によってクンスト・リートが開花したといわれる。シューベルトに続いてシューマン、ブラームス、ウォルフ、マーラー、R・シュトラウスなどがリートに優れた作品を残した。この伝統は20世紀の作曲家ロイター、ヘンツェなどにまで受け継がれている。

[石多正男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リート」の意味・わかりやすい解説

リート
Lied

ドイツの歌曲。特に 19世紀以降ゲーテ,ハイネ,アイヘンドルフらのロマン派の抒情詩に触発されて,音楽と詩の理想的な融合を目指し,シューベルト,シューマン,ブラームスらによって開拓され,H.ウォルフで頂点に達した芸術歌曲をいうが,ミンネジンガー,マイスタージンガー時代のものや 15~16世紀の多声的歌曲を含めてドイツ歌曲一般をいう場合もある。

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改訂新版 世界大百科事典 「リート」の意味・わかりやすい解説

リート
Lied[ドイツ]

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音楽用語ダス 「リート」の解説

リート

独唱曲や合唱曲など、歌われる楽曲。あるいはドイツ詩による独唱歌曲のこと。

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世界大百科事典(旧版)内のリートの言及

【歌曲】より

…比較的小規模で,抒情的にまとまった気分をもつ声楽曲の形式。ドイツ語でリートLied,フランス語でメロディmélodie(またはシャンソンchanson),英語でソングsong(またはエアayre∥air)と呼ばれるものが,それに当たる。歌曲は,歌詞のもつ文学的な気分が音楽的表現によって高められて〈うた〉となり,音楽的に完結した独自の小形式が形づくられるところに特色がある。…

※「リート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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