ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「金属貨幣」の意味・わかりやすい解説
金属貨幣
きんぞくかへい
coin
なお日本では,7世紀後半に銅銭の富本銭,8世紀に銅貨,銀貨,金貨が鋳造され,江戸時代には貨幣制度も整備されて大判,小判その他の金貨や多くの銀貨が鋳造されて流通していた。明治初期の複本位制度のもとでも 20円,10円,5円,2円,1円の金貨を鋳造して本位貨幣とし,4種類の銀貨,4種類の銅貨を補助貨幣とした。1897年本格的な金本位制度移行後は 20円,10円,5円の 3種の金貨,50銭,20銭,10銭の銀貨がつくられていた。第1次世界大戦後,金本位制度を廃止し,以後金貨はつくられていないが,1957~67年には 100円銀貨が補助貨幣とされていた。今日では,100円(1967以降白銅貨),50円(旧ニッケル貨,1967以降白銅貨),10円(青銅貨),5円(黄銅貨),1円(旧黄銅貨,1955以降アルミ貨)があるほか,1982年からは 500円(白銅貨,2000以降ニッケル黄銅貨)が発行されている。また,1964年の東京オリンピック競技大会や 1970年の日本万国博覧会の際には記念銀貨,1986年には昭和天皇在位 60年記念の金貨・銀貨が製造された。
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