長弓寺(読み)ちょうきゅうじ

精選版 日本国語大辞典 「長弓寺」の意味・読み・例文・類語

ちょうきゅう‐じ チャウキュウ‥【長弓寺】

奈良県生駒市にある真言律宗の寺。山号は真弓山聖武天皇勅願寺で行基(ぎょうき)の草創と伝えられる。弘安二年(一二七九)建立の本堂は国宝。

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日本歴史地名大系 「長弓寺」の解説

長弓寺
ちようきゆうじ

[現在地名]生駒市上町

かみ集落から富雄とみお川沿いに北上した東の山懐にある。真弓山と号し、真言律宗。本尊は木造十一面観音(国指定重要文化財、平安後期)創建については諸説がある。寺蔵の「長弓寺縁起」には、天平年中(七二九―七四九)聖武天皇の勅願により行基の開創とあるが、他の説には天平年中聖武天皇が橘諸兄に詔して建立、行基が開基したという。一説には藤原良継が天平年中に添下そえしも鳥見とみ山にきて狩猟を行っていたとき、心中に大悲観音の霊験を得て、ここに堂塔を建立し、檀弓をもって十一面観音像をつくり、さらに長谷はせ観音(現奈良県桜井市)の御衣木の余材で等身の観音像を造立して安置したと伝える。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「長弓寺」の意味・わかりやすい解説

長弓寺
ちょうきゅうじ

奈良県生駒(いこま)市上(かみ)町にある真言(しんごん)律宗の寺。山号は真弓山(まゆみさん)。本尊は十一面観音(かんのん)。創建については諸説あるが、寺伝によると聖武(しょうむ)天皇の勅願により行基の開基という。平安初期、藤原良継(よしつぐ)が堂塔を再興し、1279年(弘安2)に現在の本堂(国宝)が建てられた。その後、戦乱による破壊と織田信長の寺領没収により衰退した。本尊の木造十一面観音像(国の重要文化財)は貞観(じょうがん)様式を含んだ藤原期の仏像で、毎年8月20日にはその前で大般若(はんにゃ)法要が行われる。本堂内には黒漆厨子(くろうるしずし)(国の重要文化財)、阿弥陀如来(あみだにょらい)像、釈迦(しゃか)如来像、四天王(してんのう)像などを安置する。また境内には牛頭(ごず)天王社、塔頭(たっちゅう)四坊、弘法(こうぼう)大師勧請(かんじょう)の善女竜王祠(し)などがある。

[祖父江章子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「長弓寺」の意味・わかりやすい解説

長弓寺
ちょうきゅうじ

奈良県生駒市にある真言宗御室派の寺。創立奈良時代と伝えられるが,本堂は弘安2 (1279) 年の造立。大仏様の細部を取入れた鎌倉時代中期,奈良和様の優作で,国宝。

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デジタル大辞泉プラス 「長弓寺」の解説

長弓寺

奈良県生駒市にある真言宗の寺院。奈良時代創建。1279年に建てられた本堂は国宝。

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