翻訳|color film
被写体の色と明暗の調子を記録する感光フィルムで,ふつう発色現像方式による多層構成の減色法カラーフィルムが用いられている。カラーフィルムには,ネガ像が得られるカラーネガフィルムと,直接ポジ像が得られるカラー反転フィルムとがある。カラーネガフィルムでは,被写体と明暗が逆で補色となっている色彩像が得られるので,これをカラーペーパーあるいはカラーポジフィルム(主として映画用)に焼付け反転して,被写体と同じ色で同じ明暗の調子をもつポジ像を再現する。発色現像により色彩像を生ずる発色剤(カップラー)がカラーフィルムに含まれているものは内型(内式)カラーフィルム,そうでないものは外型(外式)カラーフィルムと呼ばれる。また,昼光下での撮影に用いるカラーフィルムはデーライトタイプ,室内照明用のものはタングステンタイプと分類されている。従来はISO(ASA)感度100のカラーフィルムが多く用いられていたが,撮影範囲をさらに拡大するためにISO(ASA)400あるいは1000もの高感度カラーフィルムが開発され(1982)実用化された。
→カラー写真 →写真フィルム
執筆者:大田 登
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[初期のカラー映画]
スクリーンに〈色〉や〈音〉を加えたいというのは,映画が生まれて以来の人々の願望であり,はやくからそのための努力と試みが繰り返された。カラー映画color filmと呼ばれるものには,技術的に大別すれば,白黒の画面に着色した〈彩色映画〉と,写真技術によって被写体そのままの色を再現した〈天然色映画〉がある。〈彩色映画〉には,染料でポジティブの一部分あるいは全体を染色tintingする方法と,ポジティブの画像を調色toningする方法がある。…
※「カラーフィルム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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