他国から武力攻撃を受けるか、明白な危険が切迫している武力攻撃事態で日本の防衛に必要な場合、首相が閣議決定や国会承認を経て自衛隊に命じる行動。政府は攻撃類型を①着上陸侵攻②弾道ミサイル攻撃③ゲリラ・特殊部隊の攻撃④航空攻撃―と示している。発令時、自衛隊は武力行使や海上保安庁の統制ができる。2016年施行の安全保障関連法で、密接な関係の他国が攻撃され、日本の存立が脅かされる危機を「存立危機事態」と規定し、防衛出動を可能にした。
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外部からの武力攻撃に際して日本を防衛するために、自衛隊が内閣総理大臣の命令に基づいて出動すること(自衛隊法76条)。内閣総理大臣が出動を命ずるためには、事前に安全保障会議と閣議に諮ったうえで、国会の承認を得なければならない。ただし、緊急の場合は、国会の承認を事後にただちに得ることを条件として、出動を命じうる。防衛出動時には、自衛隊は必要な武力を行使することができる(同法88条)。また、自衛官は、定年、任用期間を延長され、予備自衛官は防衛招集を受ける(同法45条・70条)。さらに、自衛隊の任務遂行上必要ある場合には、物資の収用、業務従事命令等が発せられうる(同法103条)。防衛出動発令下では、自衛官の離隊・抗命などは7年以下の懲役または禁錮(きんこ)に処せられる(同法123条)。なお、防衛出動は、武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められる場合にも発令されうるので、濫用の危険性も指摘されている。ただし、これまでのところ(2009年現在)防衛出動が発令された事例はない。
[山内敏弘]
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