阿呆(読み)アホウ

デジタル大辞泉 「阿呆」の意味・読み・例文・類語

あ‐ほう〔‐ハウ〕【××呆/×房】

[名・形動]愚かなこと。愚かな人。また、そのさま。人をののしるときにも用いる。あほ。「この―めが」「全く―な話だ」
[補説]「阿呆」「阿房」は当て字
[派生]あほうさ[名]
[類語]馬鹿魯鈍ろどん愚鈍無知蒙昧もうまい愚昧ぐまい愚蒙ぐもう暗愚頑愚愚か薄のろ盆暗ぼんくらまぬけたわけとんま馬鹿者馬鹿野郎馬鹿たれ与太郎抜け作おたんこなすおたんちんあんぽんたんべらぼう

あ‐ほ【××呆】

[名・形動]あほう」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「阿呆」の意味・読み・例文・類語

あ‐ほう【阿呆・阿房ハウ】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 知能が劣っているさま。また、そのような人、行動。おろか。たわけ。人をののしることばとしても用いられる。ばか。あほ。たわけ。
    1. [初出の実例]「『彼のあはうの』と云ひてぞ終りにける」(出典:発心集(1216頃か)八)
    2. 「扨もあほふなおやじめかな」(出典:談義本・世間万病回春(1771)五)
    3. 「左向をした烏が阿呆と言った」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉七)
  2. [ 2 ] 〘 副詞 〙 無上に。むやみに。大変に。
    1. [初出の実例]「あほふ 物の至極の事譬へば、…見事、…美しいといふ」(出典:随筆・裏見寒話(1753)付録)

阿呆の語誌

( 1 )語源については、諸説あるが、江戸時代には、中国、秦の始皇帝の造った「阿房宮」に結びつける説が一般的であった。そのせいか、漢字表記は「阿房」が多い。「阿呆」は近代になってから見られるが、これは、おろかの意の「呆」を音によってあてたものか。
( 2 )方言では、関東のバカ(馬鹿)に対比させ関西アホと言われるように、アホ(ウ)は、関西を中心に分布している。関西でもバカを使わないわけではないが、アホ(ウ)よりも、強いニュアンスとなることが多い。


あ‐ほ【阿呆】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 「あほう(阿呆)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「わすれやせぬ・めしばっかりはあほじゃない」(出典:雑俳・軽口頓作(1709))

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