薄鈍(読み)ウスノロ

デジタル大辞泉 「薄鈍」の意味・読み・例文・類語

うす‐のろ【薄鈍】

[名・形動]知能が少し劣っていて、反応動作がにぶいこと。また、そのさま。「薄鈍な動作」
[類語]馬鹿阿呆あほう魯鈍ろどん愚鈍無知蒙昧もうまい愚昧ぐまい愚蒙ぐもう暗愚頑愚愚か盆暗ぼんくらまぬけとんまたわけ馬鹿者馬鹿野郎馬鹿たれ与太郎抜け作おたんこなすおたんちんあんぽんたんべらぼう

うす‐にび【薄鈍】

染め色の名。鈍色にびいろの薄いもの。薄いねずみ色。
1の色の衣服喪服僧服など。
「御叔父の服(=服喪)にて―なるも」〈蜻蛉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「薄鈍」の意味・読み・例文・類語

うす‐のろ【薄鈍】

〘名〙
① (形動) ぼんやりしていて動作や反応が鈍いこと。少々のろまなさま。また、その人。うすばか。
黒蜴蜓(1895)〈広津柳浪〉二「うす野呂の与太兵衛を誤魔化しゃアがって」
② 数人で行なうトランプ遊びの一種人数より一つ少ない数の食べ物などを中に置いてまるくすわり、四枚ずつ配られたカードをいっせいに一枚ずつ隣へ送る。同じ数のカードが四枚そろった者が中に置いた物をそっと取ると、それに気づいた者は続いて取り、取りそこなった一人を除いて再びゲームを行なう。こうして最後に残った者が勝ちになる。

うす‐にび【薄鈍】

〘名〙
染色の名。藍色がかった鼠色うちで、薄いもの。うすにぶ。
※蜻蛉(974頃)中「いときなき手して、うすにびの紙にて、むろの枝につけたまへり」
② ①の色をした衣服。喪服、僧服など。また、それを着て喪に服していること。
源氏(1001‐14頃)蜻蛉「御叔父の服にて、うすにびなるも」

うす‐のろ・い【薄鈍】

〘形口〙 物事に対する反応が普通よりも機敏でない。どこか間が抜けている。あまりてきぱきしていない。なんとなくまだるっこい。
滑稽本東海道中膝栗毛(1802‐09)六「あんなうすのろいけんくが、どこにあるもんだ」
うすのろ‐さ
〘名〙

うす‐どん【薄鈍】

〘名〙 (形動) ぼんやりしていて血の巡りが悪いこと。また、そのようなさまやそのような感じの人。うすのろ。
※洒落本・客者評判記(1780)立役之部「此さと人のうすどんめ」

うす‐にぶ【薄鈍】

※宇津保(970‐999頃)国譲中「うすにぶのひとへがさね」

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