ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アホ」の意味・わかりやすい解説
アホ
Aho, Juhani
[没]1921.8.8. ヘルシンキ
フィンランドの小説家。本名 Johannes Brofeldt。牧師の子に生れ,ヘルシンキ大学に学んだが中退,自由主義者のグループ「青年フィンランド」の一員となる。記者生活四十余年,1906年母校の名誉教授。初期の『鉄道』 Rautatie (1884) などは,キビの影響もあって素朴な農民をユーモラスに描き,リアリズム文学の第一人者となった。保守的な中流階級を扱った『牧師の娘』 Papin tytär (85) は B.M.ビョルンソンの人道主義,H.J.イプセンの女性解放を思い起させる。一時モーパッサン,ドーデらの影響を受け,フランス自然主義へと傾いた。『ひとり』 Yksin (90) ,『牧師の妻』 Papin rouva (93) がその頃の作品。その他『パヌ』 Panu (97) ,『春と冬日和』 Kevät ja takatalvi (1906) ,自伝風の作品『ユハ』 Juha (11) ,風刺的な『良心』 Omatunto (14) ,晩年の『平和時の阻害者』 Rauhan erakko (16) ,随筆集『かんな屑』 Lastuja (8巻,1891~1921) など。
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