室町時代,足利将軍家に仕えた同朋衆のなかに,能阿弥(真能),芸阿弥(真芸),相阿弥(真相)という3代にわたって諸芸に秀でた人々がいた。この3人を三阿弥と呼び,彼らによって制作された水墨画を主とした絵画と,その影響をうけた周辺の画家たちの画風を総称して,阿弥派の作品または阿弥派画風と称するようになった。しかしこれらの作品に共通する様式的特徴はかならずしも明確にとらえることはできず,したがって鑑賞用語としてはともかく,美術史上の概念を示す呼称にはいたっていない。通常,阿弥派画風と呼ばれているものは,大徳寺大仙院室中の間の襖絵に現存する水墨山水画にみられる柔軟な中国南宗画風の作例であり,他の伝承作品も同系統のものが多い。これらは明らかに中国宋代の米元章,米元暉(二米)の画風を踏襲するものである。しかし一方,芸阿弥筆《滝山水図》(根津美術館)や阿弥派による周文流楷体山水画が存在することから,家芸としての画題を滝山水とした真山水画風を軸に,しだいに行・草体の画風を展開させたところに阿弥派の役割を認めることができよう。
執筆者:衛藤 駿
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