改訂新版 世界大百科事典 「阿見」の意味・わかりやすい解説
阿見[町] (あみ)
茨城県南部,稲敷郡の町。人口4万7940(2010)。霞ヶ浦南岸に位置し,湖岸沿いの低地のほかは台地が大部分を占める。古くから開けた地で,縄文時代の宮平貝塚などがあり,《延喜式》の式内社阿弥(あみ)神社もある。平安末期から室町時代にかけては信太荘の荘域に含まれていた。明治期から第2次世界大戦後まで台地の開墾が行われ,1960年ころまで麦,サツマイモなどの生産が中心であった。63年に首都圏市街地開発区域に指定され,工場誘致を進めた結果,食品,農業機械,化学などの工場が進出した。1997年現在,二つの工業団地がある。70年ころから住宅地化が進み,土浦市への通勤者が増えている。1921年,阿見原に霞ヶ浦海軍航空隊が置かれ,第2次大戦中には湖畔に土浦海軍航空隊が設置されて,予科練の名で全国に知られた。現在も陸上自衛隊霞ヶ浦駐屯地のほか武器学校などがある。
執筆者:千葉 立也
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報