陸奥国分寺(読み)むつこくぶんじ

日本歴史地名大系 「陸奥国分寺」の解説

陸奥国分寺
むつこくぶんじ

[現在地名]仙台市木ノ下二丁目

国分寺薬師堂南東にあり、真言宗智山派。金光明四天王護国山医王院と号し、薬師如来本尊とする。もと山城醍醐寺報恩院末、明治以後は京都智積ちしやく院末。天平一三年(七四一)の国分寺建立の詔により造営された陸奥国分寺跡地のうち別当坊跡に建つ。古代・中世衰退再興を繰返すが、藩祖政宗が慶長一〇年(一六〇五)に再造を命じ(貞山公治家記録)、同一二年に入仏成り(貞山公治家記録引証記)、また薬師堂および当山鎮守の白山神社なども造営した(封内風土記)学頭坊・別当坊・院主坊ほか二二ヵ坊があり、学頭坊が統轄(同書)、それらは元禄城下絵図で確認される。寺領は院主坊が藩祖政宗の時に三貫五〇〇文、二代藩主忠宗の時に四貫二〇〇文、学頭坊は政宗の時に二貫文、忠宗の時に二貫四〇〇文、別当坊は政宗の時に二貫文、忠宗の時に二貫四〇〇文であった(延宝八年「寺社領寄付牒」仙台市博物館蔵)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「陸奥国分寺」の解説

陸奥国分寺

宮城県仙台市にある寺院。真言宗智山派、本尊は薬師如来。金光明四天王護国山医王院と号す。天平年間に聖武天皇の国分寺建立の詔により建立された国分寺のひとつ。12世紀に戦火により焼失。現在の伽藍江戸時代初期に伊達政宗が再建したもの。かつての寺域は「陸奥国分寺跡」として国の史跡に指定。薬師堂は国の重要文化財に指定。

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