翻訳|orpiment
化学成分As2S3の鉱物。雄黄という和名は,本来鶏冠石の別称であり,orpimentに対しては,雌黄(しおう)または石黄(せきおう)の名称を使用するのが望ましいとされている。レモン黄色透明で,脂肪光沢,へき開面は真珠光沢をもつ。単斜晶系に属し,自形は斜方晶系に近い短柱状である。通常葉片状集合体ないし塊状をなす。へき開は{010}に完全。モース硬度1.5~2,比重3.48。ろうそくで加熱すると容易に溶け,強いニンニク臭を発する。低温熱水鉱脈や温泉沈殿物中に産し,鶏冠石,辰砂,自然ヒ,硫ヒ銅鉱などを伴うことがある。北海道手稲鉱山,群馬県西牧鉱山,青森県恐山噴気帯などに産出する。特有の鮮やかな黄色にちなんだラテン語auripigmentum(黄金色の顔料の意)に由来する名称である。
執筆者:青木 正博
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