因循(読み)インジュン

デジタル大辞泉の解説

いん‐じゅん【因循】

[名・形動](スル)
古い習慣や方法などに従うばかりで、それを一向に改めようとしないこと。また、そのさま。
「―な財産家であろうと思うて軽蔑したのは」〈鉄腸・南洋の大波瀾〉
思い切りが悪く、ぐずぐずしていること。引っ込み思案なさま。
「なにを―しておるか。勉強して神速(しんそく)にせい」〈魯文安愚楽鍋

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大辞林 第三版の解説

いんじゅん【因循】

( 名 ・形動 ) スル [文] ナリ 
古い方法・習慣に従って改めようとしない・こと(さま)。 「 -家」 「君は又-なことを云ではないか/雪中梅 鉄腸
ぐずぐずして煮えきらないこと(さま)。 「雷雨に辟易して、-したかもしれませんヨ/当世書生気質 逍遥
( トタル ) [文] 形動タリ 
に同じ。 「 -たる小説家は之を見て警醒せり/筆まかせ 子規

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精選版 日本国語大辞典の解説

いん‐じゅん【因循】

〘名〙 (「じゅん」は「」の呉音。漢音で「いんしゅん」とも)(「」はよる、「循」は従うの意)
① (━する) 何事も古いならわし、方法などに従って、改めようとしないこと。旧例にこだわって改革をしないこと。既成のものによりかかること。
※日本後紀‐弘仁元年(810)九月丙辰「詔曰〈略〉難波御宇、始顕大化之称。爾来因循歴世、至今是用」 〔淮南子‐原道訓〕
② (形動ナリ・タリ) すすんで事をなそうとしないこと。消極的で、ぐずぐずしているさま。
※東海一漚別集(1375頃)長寿寺殿忌日焼香「不覚因循一月過」
浮世草子・近代艷隠者(1686)一「かへらん心をわすれて、因循(インジュン)として立しに」 〔顔氏家訓‐勉学〕

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